(うう〜…まだ口ん中ニゲェ…)

事実、ナルト達の作ってくれたラーメンは破滅的に苦かった。
匂いも麺も申し分なかったのに、スープだけがトンでもない代物だったのだ。

(どーやったらあんな味になるんだよ…ってまさか、今日全員にアレを食わせたのか?!)

口の中に残る強い苦味に顔を顰めながら、家路を急ぐ。
早く帰って歯磨きをして、この口内環境を元に戻さなければ。
そう思えば抱えている重い荷物も苦にならず、いつもは季節を楽しむ通勤路も今日ばかりは景色が飛ぶように過ぎて行った。

すると、覚えのある気配が後ろに現れた。
この気配はカカシのものだ。
「イルカ先生」
「カカシ先生! どうなさいました?もう上がりですか?」

振り返るとカカシが難しい顔で立っている。
「イルカ先生、余計な真似はしないで下さいよ。あのラーメン、本当は不味かったんでしょ?」

う、やっぱりカカシ先生にはバレてたか…
だけれど、あの子達があんなに頑張って作ってくれたラーメンに低い点など付けられなかったのだ。

「そ、そんな事無いですよ。俺、ちゃんと完食したじゃないですか」
「嘘仰い。不味かった筈です。だってあのラーメン、俺が細工したんですから」
「えっ?」

カカシ先生がラーメンに細工?
つまりラーメンが不味かったのはカカシさんのせいなのか?!

「なっ、何でそんな事を?!」
「さぁて、何ででしょうね。何でだと思います?」

あれカカシさん、何か怒ってる…?

何時もはにこやかな表情が今は面を貼り付けた様に無表情だ。

「貴方なら絶対に様子を見に来るだろうと思ってましたよ。あいつらのラーメンに満点を付けるだろうって事も。本当に予想通りでしたね」
「カカシ先生…?」
「先生、あいつらにあんな無防備な笑顔見せるんだもん。何か嫉妬しちゃいました。だから、ね。イタズラしたくなっちゃったんです」

突然、身体の中を電気が走った。
体の奥から得体の知れない熱が込み上げてきて、足がガクガクし始める。

「なん、だ…コレ…」
「ああ、ソッチも効いてきましたか。苦味成分と一緒にもう一種類入れたんですよ」

言われなくてもそれが何なのかは、襲い来る感覚で分かる。
「媚…薬…」
「せーかい♪さすが先生。ご名答です」

子供の様にはしゃぐカカシの目は笑っていない。
今は下ろされた口布の下の唇は、ニヤリと質の悪い笑みを浮かべていた。

「ど、して…っ!」
「だからさっきも言ったでしょう?俺にはあんな笑顔滅多に見せてくれないのに、子供達には大判振舞なんだもん。そんなのズルイじゃない」

美しく残忍な笑顔でカカシが微笑む。
その不吉なまでに美しい眼差しに射竦められ、動くことが出来なかった。
抱えていた書類がバサリと音を立てて地面に散らばる。

「う、ぁ…っカカ、せ…」

往来であるにもかかわらず、カカシに抱き締められ耳元に息を吹き掛けられた。
たったそれだけの事でもう立っていられない程の快感が身体中を駆け巡る。

「フフ…もう立てなくなっちゃったの?仕方ない人だね…」

わざとそう耳元で囁くと、次の瞬間にはカカシの家の前にいた。
荒々しくドアを開け、また瞬身で寝室へと飛ぶとベッドの上に放り投げられる。

「イルカせんせみたいな悪い子には、お仕置きが必要だーね」
せめてもの抵抗で足を固く閉じるが、薬で思う様に力の入らない身体では敵う筈も無い。
簡単に身体を割り入れられ、両手は頭の上で一つに纏め上げられてしまった。

「やっ!!離せッ!!」
腕を縛る紐を引き千切ろうともがいて見るが紐はビクともしない。もがくほどにギリギリと食い込んで、腕には薄っすらと血が滲んだ。
「それチャクラを編み込んだ糸で出来てますから、無理すると腕が千切れますよ」

涼しい顔でそう言うと、馬乗りの状態で着ていたアンダーをクナイを使って引き裂く。

「ほら、動かないで。動くとせんせの大事なトコが切れちゃうよ?」
「やっ、やめっ!!」

こちらの抵抗は物ともせずに、ズボンと下穿きの端にクナイを引っ掛けて舌舐りしながら言う。
色違いの瞳に浮かぶのは怒りと狂気の色だ。

(怖い…!)

ビリビリと派手な音を立てながら切り裂かれていく。
薬のせいで痛い程に勃ち上がった雄が外気に晒されふるりと震えた。

「せんせ、やーらしー…もうココ、こんなに涙流しちゃってるヨ?ハシタナイねぇ」
「も…ヤ、ダッ…あっ、ふぅっ」

雄の先でわざとらしく息を吹き掛けるように喋る。
カカシの吐息が触れただけでも達しそうだ。

「うふふ…カワイイね。でもコレはお仕置きだから簡単にはイカせてあげなーいよ」

傍らから腕を縛っているのと同じ紐を取り出し、雄の根元をきつく縛り上げた。

「アァァァッッ!!やっ外せッ!!」
触れられて激しい快感が雄を直撃するが、抑え付けられたせいで達する事が出来ない。
逃す事の出来ない熱に気が狂いそうだった。

「んもう、お口が悪いんだから。コレでも咥えてなさい」
不満げに口をへの字に曲げると、どこから持ち出したのかイルカの口内にバイブを押し込む。
余りの仕打ちにイルカの両目からは涙がぽろぽろと零れ出した。

「泣いてもダーメ。今日は許してあげないよ。俺が満足するまで付き合ってもらわなきゃ、ネ」

にっこりと微笑む顔は窓から零れる月明かりを浴びて切望的に美しかった。



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