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Re:短編小説
卍
[ID:ayu1126]
「早く卒業したいけど、部活だけならあと5年はやってたいね」
「…長くね?」
2月も半ばに差し掛かり、既に進路の決まった生徒たちは自宅学習期間に入っている
かくいう私も私立大に受かりはしたが、デッサンの腕が鈍らないように毎日学校には登校している
一日中美術室に籠りっぱなしではあるが
「調子はどう?」
「駄目っぽい、モリさんマジ顔でかくなるよ」
まだ受験の終わっていない副部長は、数メートル離れた場所に鎮座しているモリエールを睨みつつ、ため息をこぼしている
モリさんことモリエールは、お髭が素敵なイケメン石膏像の名前だ
首もとのマフラーの陰影を木炭で塗り込みながら、副部長は欠伸を噛み殺した
「部長は?描けてんの?」
「いや、鹿の骨わけわからん、マジむり」
自分の描くべきモチーフをちらりと見て、またやる気をなくす
煉瓦と三角フラスコまでならまだマシだ
だが鹿の骨ってなんなの、描けねぇよわかんねぇよ
どっから手をつけていいのやらさっぱりわからん
「あ、もう灯油少ない」
「じゃー補充すっか」
しゅんしゅん音をたてるストーブの上のヤカンに水を足し、灯油を入れるために火を消した
ばちん、と音がしてレバーが上がり、もわりと煙が出てきた
換気をかねて窓とドアを開け、灯油の入ったポリタンクと、手動の給油ポンプを手にとる
「給油口開けといて」
声をかけると、副部長はのびをして席をたった
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すべて実話っていうね
(´-ω-`)
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