剣花伝

□第二章 思ふ心は 花曇り
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   二

 真っ黒な闇が身を包んでいた。
 いけどもいけども、闇が途切れる事は無い。
 分かりきった事だ。
 だから自分は動かずここにいる。
 何をしても、この闇から逃げる事など出来ないのだから。
 否。
 例え逃げられた所で、自分の存在する意味が消えるだけ。ならばその意味をまっとうして、闇の中で果てる方がよい。
 闇の奥。その最奥で、何かが動いた気がした。





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