一輪の花
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越前「あ…」
越前は出口から出てくる乾を発見した。一か八か、周囲に警戒しつつ乾の元へ駆け寄った。彼なら大丈夫、そう信じて。
越前「乾先輩!」
乾「越前、無事か?」
越前「はい!」
二人はなんの警戒もなく話を進める。なぜなら相手がこの馬鹿げたゲームに乗るようなやつじゃないとお互いにわかっていたからだ。
乾はノートを開くと手を走らせ越前を見た。
乾「お前がこのゲームに乗っている確率は極めて低い。そうだろう?」
越前「はい乾先輩もッスよね?」
乾「勿論だ。越前、お前の武器は?」
越前「……これッス」
越前が鞄から出したものは探知器だった。人がいる場所を現すなんとも便利な道具。
乾「でかしたぞ」
逆光眼鏡がキラーンと光った。相変わらず眼鏡の奥は見えない。
越前「乾先輩の武器は?」
乾「俺は…これだ」
乾は少し悲そうに笑うと鞄の中からサバイバルナイフを取りだした。
決して仲間を殺すためにあるんじゃない。これは時期に俺達の役にたつだろう。
そう信じて。
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