Novel 小説
□密と君
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オレの気持ちは伝わらないの?
こんなにも想っているのに
『獄寺君…もぅ…ダメかな…』
オレを見る目はまるで
ヒビが入ったガラスのように
揺れて雨に濡れているかのように水気を帯びていて、
不謹慎にもオレは綺麗だなと思って…あぁ何を言ってもオレは獄寺君のことが
『秘密を教えてくれないからって、ひどい奴だよね、オレって』
返す言葉が見付からない獄寺君は黙ってオレの話を聞いてる
『でも獄寺君、
君がいけないんだ、君が…
あまりにも愛しすぎるから!!』
そんな泣きそうな顔をしないで、ここまで言っておいてなんだけど、オレいっぱいいっぱいで余裕がないンだ
だから
―――君がスキなんだ