Novel 小説

□Permenente amore
2ページ/7ページ




『私が誰だかわかる?って』


・・・誰って 貴女は


『オレ、その時はじめて名前も知らないことに気付いたんです』



『おかしいですよね
 今まで何度もあってて
 名前も聞かなくて、
 疑問にすら
 思わなかったなんて』


『子供だから・・・っていえばそうだからかもしれません』


違うよ


『いま思えば、それはその人と いるのが当たり前で
 まるで・・・母親のように
 感じてたんだと思います
 本能的なものと言いますか、 悟かったと言いますか』


獄寺君・・・


『そっか・・・その時聞かれたことになんて答えたの?』


―――――


『わからない』




『・・・相当ショックを受けたと思います。実の息子に母親と認知されていないンですから』


・・・

母親・・・


『それなのに、あの人
顔色一つ変えないでこういったんです』



『私の名前は―――――よ』



『…と、せめて名前だけ
名前だけでも知っていてくれればいつか、自分の母親だって気付いてくれるかも知れない
そんな想いで…教えてくれたんだと思います』


母親の執着
ううん
愛ゆえ・・・か

 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ