Novel 小説
□Acquazzone
1ページ/8ページ
―――――ポツ
ポツポツ
灰色の雲から落ちる雫
それは やがて 激しさを増し
――嵐となる
『―――雨。降ってきたね
暫くは帰れないんじゃない?』
・・・
『なに?そんな目でみたって
僕は何もしていないよ』
『・・・だったらその、雲の匣を仕舞ってからいうんだな』
キラリとベルトの横に
鈍く光る雲の刻印の入った匣
『あ。』
『今更、しまった
って顔してんじゃねぇ。
わざとやってるくせに』
『バレた?』
なにがバレた?だ
『見え見えだ。バーカ』