Novel 小説

□Bianco neve
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――― 雪の冷たい夜
寝静まった深夜の街を徘徊・・・
否、散歩中。
埋もれてしまいそうな街
そして自分
このまま溺れてしまえばいいのに

――――『"白"』

何気ない一言
君がいるから溺れることができない


『僕が、ですか?』

何をいいたいのだろう

『うん。白、真っ白な感じ
・・・光みたいな』

そい言って軽くはにかむ君は
どこか悲しそうに俯いて

『クフフ・・・
そしたら隼人君は "銀"ですかねぇ』

『髪の色じゃねーか』

クスクス笑う隼人君

『まぁ、
その通りかもしれませんが
違いますよ』

わからないと言う顔をしていますね

『・・・それじゃあ、なんで銀?』

『理由ですか?』

『おぅ。』

僕を見つめる双眸は僕を堕とすように

『銀は眩しいから』

そして歩きだす あんたはどこか寂しそうで 小さく呟いた言葉は白闇にのまれた


―――白は ただ 白いだけ

光りじゃ、 ない―――
 
 
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