短編夢
□沖田夢 「嘘つき」
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沖田君が出ていってから5時間が経った。
私が部屋で
お茶を飲んでいると、
携帯が鳴った。
発信者名は・・・
土方。
私は電話に出た。
そして土方さんの言った
言葉を理解するのに、
時間が掛かった。
「沖田が死んだ」
私は無我夢中で
現場に向かった。
そこには横たわる沖田君
と、
逃げようとポケットを
探る犯人。
私は怒りを覚えた。
人を殺したのに、
平然としている犯人に。
何もできない無力な自分自身に。
気がつけば私は、
犯人に切り掛かっていた
返して。
沖田君を返して。
生きてる沖田君を・・・
か え し て
「あ゛あ゛ぁ゛あ゛っ!!!」
その後の事は、
よく覚えていない。
ただ覚えているのは、
パトカーの光、
土方君達の声、
飛び散った紅い紅い血。
約束なんて・・・・
何も意味を持たない
口だけの・・・・
悲しい慰め言葉だ。