NOVEL
□2nd(フィンフェイ)
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簡単に人の命を奪い、自身もいつ死ぬんでもおかしくない生き方をしている自分に、人を好きだとか、愛おしいとか思う感情を持つこと自体間違っているのかもしれない。
持った所でどうにもなんねぇかもしれないがな
暇さえできれば、ついそんな事ばかり考えてしまうフィンクスは、他から見ても、ボサッとしているように映る。
「フィン、この前なんでキスした?」
「………?!………」
団長の護衛でパクとノブナガがいなくなってるアジトの自室でテレビを見ながら暇を潰していたフィンクスの所に、フェイタンが尋ねてきた。
この前というのはおそらく前の仕事で雨宿りした時のこと。がしかし、あの時、フェイタンは確実に寝ていたはず…お互い確かに敏感ではあるが、相手の状態を見間違えることはまず無い。
故に、フェイタンには気付かれてはいない。
という結果にいたっていたフィンクスは、フェイタンからの突然の問いに、驚きを隠せなかった。
「な、なな何言ってんだ?」
顔では冷静さを保とうとしているが、口が完全に動揺している。
「前、ワタシ起きてたね」
「……あ〜気のせいじゃないか?」
「あそ」
フェイタンは何時ものように、あまり突っ込んで聞くこともなく、そのまま部屋を出ていこうとした。