過去の拍手小説
□ユンジェD
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夕方から降り出した雨は、雨脚を強めるでもなく、ただジトジトとこの町を濡らしている。
「ジェジェン…」
お前は雨が好きだと言った。それは、俺が雨男だからだって。そんな風に笑って言った。
でも…この季節の冷たい雨は、風邪気味のお前の躰に鞭を撃つものでしかないだろうに。
「早く…止んでくれ」
たった1日一緒にいないだけで、こんなにも崩れそうな自分。朝早くに家を出たお前の後ろ姿を、無理矢理にでも抱きしめれば良かった。
「頼むから…ジェジュンのために」
今、お前を守れないこの手も、「愛してる」と伝えられないこの声も、あまりに無力で。
切なさのあまり、声も出さずに流れ出た涙がユノの頬を伝っていった。
窓を濡らす、この雨のように。
END