「よー、花道!またフラれたってー!?」


花道がまたフラれたと聞いて屋上にエトセトラ達と行ったら、案の定落ち込んだ花道がいた。
エトセトラ達はやんややんやと、励ましているのかからかっているのか。斯くゆう私も、可哀想だと思いながらも、ちょっと顔が笑ってしまう。


「これで何人目だ、花道ー!」

「高校行っても記録更新頑張れよ、花道ー!」

「つーか、一生更新し続けてくれよ、花道ー!」


「「「ぎゃははははは!!!」」」


ちょっと、そろそろやめないとヤバいんじゃないの、ほら、花道の顔がだんだん暗くなって目がつりあがって……


「ふんぬー!!お前らいい加減にしろー!!」


……やっぱり。学習しないなぁ、エトセトラも。でもこれがみんななりの励まし方なのかもしれない。
いつもの光景が楽しくて、(追い掛けられてるみんなには悪いけど)高校行ってもずっと続くといいなぁと思った。


その時、キィと扉の開く音がしてその方を見れば、さっきまでいなかった人の姿。


『洋平、どこ行ってたの?』


私の隣に座る洋平に、自然と口が尖る。楽しかったけど、ちょっと淋しかったんだから、ばか。


「これ、買ってきた」


まだちっと寒いからなー、って渡されたのは紙パックのココア。……あったかい。そうか、これ買ってたから遅かったのか。


「寒がりな彼女のために」


そう優しく笑う洋平にきゅんっとして。それだけでココアを飲まなくても体が熱くなる。

照れ隠しのようにココアを飲めば、ちょっとくれと洋平もそれを口に含んだ。あ、間接キス。



『……洋平、』


「んー?」


『……ずっと一緒にいてね?』


「ははっ、何それプロポーズ?」


『……ばか、』



上から降ってきたのは
(まるでこれが返事かというような)
(甘い甘いココア味のキス)

(お前らいちゃいちゃすんなー!)
(((そーだそーだ!)))
(……ぶち壊し)
(ふふっ)






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