嘘吐遊戯

□Lie was Love.
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いくらでも上手く嘘はつけた。

嘘をつき続けることもできた。

その自信があった。


「……さん?…秋山さーん」
「………うん?何?」
「やっと反応してくれた…」


でもしなかった。

なぜって、

お前が泣くから。


「あそこ!見てください!」
「何だよ」
「虹ですよ、ほら!」


雨上がりの空に、

見事な弧を描く七色。


「……キレイですね…」
「…空が笑ってる」
「え?」
「………なんだよ」
「珍しく、ロマンチックな発言だなぁって」
「失礼な奴だな」


なんでもない。

お前になぞらえただけだ。

泣いた後の、笑顔。


「………虹の向こうに」
「ん?」
「虹の向こうには幸せの国があるんだって、小さい頃、よく父に言われました」
「…へぇ」
「さすがに、もう信じてないですけどね」
「どうして?」
「どう…って、だって、虹って渡れないじゃないですか」
「……くくっ」


そこに着目するのか。

らしいっちゃ、らしいが。


「あぁっ!今、笑いましたね!?」
「悪い。……てことは、幸せの国はまだ信じてるんだ?」
「信じてるっていうか…あったらいいなぁ、程度です」
「ふぅん…」


…なんでだろうか。

お前がそんなこと言うと、

すごく悲しく聞こえる。


「見つけに行こうか」
「え?」
「虹の向こうまで。オレと」
「……秋山さん?」
「オレ、本気だけど」


まぁ、

嘘はつかなくなったというか、

お前につけなくなった、

が正確かもしれない。


「どう、この話。…乗る?」
「…………もちろん!」


それだよ。その笑顔。

嘘なんか言えなくなる。


「秋山さん」
「ん?」
「私、秋山さんが大好きです」
「知ってるよ」
「秋山さんは、どうですか?」
「知ってるくせに」
「言ってください。私も言ったんですから」
「お前が勝手に言ったんだろ」
「うっ…それは、そうですけど」


……甘くなったな、オレも。




「愛してるよ、直」





嘘は君へのなんだって
 
I thought so till I met you.
Now, I think, true love is...





(全部、お前のおかげなんだよ)






******
Lie Is Love」の華月さんと相互記念に。
…と突然思い立ったものの、上手くまとめられませんでした。本当にすいません!!
よかったらもらってやってくださいm(_ _)m

2010.08.21.up


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