嘘吐遊戯

□微妙な距離のふたり
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いつの間にか、当たり前になっていた。

「おじゃましまーす」

直が休日の度に、

「毎週毎週、飽きないなよく」



オレのところに来ること。



「自分でもびっくりです」
「どういう意味だ」
「今日はケーキ持ってきました!」
「無視か」
「紅茶入れますね!」
「おい…」


知らないうちに、キッチンのどこに何があるかまで把握された。


「お待たせしました!」
「…………」
「…怒ってます?」
「……いいや」

大人しく、ソファに腰を下ろして待っていた。

出てきたのは、苺の乗ったスタンダードなショートケーキ。

「どうぞっ」
「ん」


かちゃ


「…………」
…ふむ……。
「……どうです、か?」

左からのぞき込まれる。

「…美味いよ」
「本当ですか!?やったぁ!」
「……なんでそんなに喜んでる」

小さくガッツポーズまで飛び出した。


「だってそれ、


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