仮想空間

□病を運ぶ青い鳥
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「うう…ん…」
マルスの目の前には白い白衣を着た人―ドクターマリオ。
「よし、気が付いたね」
「大丈夫か?」
「僕は…そうか、ファルコを呼びにいって…」
「イキナリ倒れられてさ、もうビックリだよ。何があった?」
リンクの問いには、至極簡単なものが返ってきた。


「実は僕………鳥、苦手なんだ」


「おま、それ早く言えよ!」
リンクは呆れ顔で言った。マルスは申し訳なさそうに答える。
「昔、いろいろあって…鳥だけは駄目で」
「でも食堂でファルコは目の前だろ?部屋も近いし…」
「うん、頑張ってたんだけど…さっき羽がなびくのを見て、つい…」
ごめん、と軽く笑うマルス。とそこに、

「マルス、大丈夫かー?」

と、病を運ぶ青い鳥がノックもせずに入ってきたのである。
当然、マルスは大丈夫なわけもなく…
「…………っ」

フッ どさっ

「マルスーーーーッ!」




その後、フロアにファルコを叱る声が1時間響いた。





その日の夜、食堂にて。マルスの目の前にはカーテン。その向こうには…
「…なぁ、あのカーテン邪魔じゃねーのか?」
そう、いつもどおりファルコがいる。
「しょうがないだろ、マルスの視界にお前が入っちゃうんだから」
どうやら、カーテンをつけたのはフォックスのようである。
「あのー、フォックス、ここまでしなくても今まで耐えてこられてたし…」
「いやいや、ちょっとぐらいコイツに気を使わせないとな」
「は、はぁ………」

心のそこから心配してくれてるのか、はたまた部下の教育に利用しているのかは、定かではない。






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まぁ、本当に苦手なのはドラゴンなんだろうけど…。

2010.06.06.up

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