仮想空間
□寝相
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「おーい、清正ぁ!」
後ろから、名を呼ばれた。
「なんだ正則。そんなに大声でなくても聞こえる」
「三成見たかぁ?おもしれーの!」
歩きながら、正則は話しかけてくる。
「寝違えたんだってな」
「バッカだよなー!」
「うるさいな。餓鬼の頃は、お前だってよくあぁなってただろ」
「うっ……」
だが、奴が寝違えた、というのは初めて見た。
奴はいつでも行儀が良い。
「あと、お前と三成は寝ながら喧嘩してたな」
「は?」
「いつだったか、お前が三成の鳩尾に裏拳を叩き込んだことがあっただろ」
「あったっけ?そんなこと」
「あったさ」
正則の寝相は凄まじい。三成が来るまでは、犠牲者は俺だった。
だからわざと、正則の隣を三成にして、俺は悠々と寝ていた。
「…いつか、謝らないとな」
「何を?」
「お前にじゃない」
俺は足を止めた。
「ん?ここって…」
「おねね様、ちょっといいですか」
少しして、襖が開く。
「どうしたの、清正?正則も」
「実は、三成が……」
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復帰第一段が残念な仕上がり。
私が寝違えたときに走り書きしてあったものを、大幅に改稿しました。
寝違えたときは、マッサージとかしちゃダメですよ!
頑張れ東北!
2011.03.22.up