仮想空間

□喧嘩師同士
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「…あー、それはちょっとキツいかも…っていうかキツいね」
「でっしょー!?もう…(ぱくっ)ほんほーにむかふくのほ」
「甲斐殿、そんなにがっついて食べないほうが…」
「(もぐもぐ…ごくん)…大丈夫です、やけ食いは慣れてます」
「はあ……しかし団子ですし…」
「おぉ、やっと見つけた。ここにいたのか」
「これは兼続殿。…なにかあったのですか?」
「お前ではなくてな、そちらの甲斐姫に用があるのだ」
「(もぐもぐごくん)私に?」
「もう少しで…あぁ、来た来た」
「おぅ、待たせたねぇ。連れてくるのに思いのほか手間取っちまってなぁ」
「慶次殿……に、政宗殿」
「貴様、放さんか!」
「暴れんなよ、落ちるぜぇ?」
「降ろせ、慶次」
「おうよ」
「なによ、どの面下げて会いに来たのよ」
「はっ、わしは貴様なぞに会いとうはなかったわ!」

どかっ!!

「―ッ!き、貴様、くのいち!どこから…!!」
「姿を消して背後からですよぉ」
「鈍いねぇ、お前さん」
「黙れ慶次!」
「はいよ」
「喧嘩の内容聞いたけど、ひどいよ!ひどすぎるよ!」
「政宗殿…私もそう思います」
「5対1だぞ、政宗」
「多勢に無勢な……」
「…………」
「……………」
「………」
「…―ぇえい!わかった!わしが悪かった!!」
「……誠意が見えない」
「な……っ」
「ふむ、くのいちの言うとおりだな」
「兼続、貴様…!」
「あーじゃぁ、このお団子おごってくださいよ!」
「こら、くのいち」
「いやいや、もちろん甲斐ちんの分だけですよ」
「あぁ、それなら…」
「……わかった。わしが払う」
「いいよね?甲斐ちん」
「……………うん」
「んじゃ、一件落着!」
「あ、待って、もう一本頼むから」
「貴様…!!」
「いーでしょ?」
「……ちっ」






後日。

「おや。またやってますよ、政宗殿と甲斐姫」
「……よくもまぁ、飽きないな」
「案外、相性がいいのかもしれませんねぇ」
「喧嘩するほど、か?」
「俺の身近にもいますからねぇ、そういう人達」
「……なんだ、その目は…?」
「いやぁ、別に」






******
"撃たれる、殴られる"と皆が言うのはある種の比喩です、それくらい凄まじいという。
第三者として左近(と三成)を起用。馬鹿トリオを見て「喧嘩するほど」なんとやらを実感している。ハズ。
喧嘩の内容は皆さんのご想像にお任せいたします。

2011.02.18.up

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