仮想空間

□庶民派?
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in 夕食時の食堂。

「うわっ!今日の飯、すっげぇ美味い!」
「今日の食事当番って誰?」

ざわざわ、といつものように五月蝿い人々の合間を縫って、食事を運ぶのは緑のエプロン。

「オレです」
「あぁ、リンクにーちゃんかぁ」

ハンバーグをテーブルに置きながらの言葉に、ネスが反応する。

「リンクって料理上手だよね」
「ありがとうございます。でもマルス先輩なんかは、もっと豪華な食事を食べてたんじゃ?」
「いやいや、逃亡中なんかは贅沢言えなかったし、行軍中も。…僕なんかよりゼルダ姫とか」
「私も幽閉されていましたからね…ピーチさんは?」
「私?クッパが出す料理なんかが美味しいと思うの?」
「うわぁ…バイオレンスな経歴持った貴族しかいないの?」

貴族3人の体験談を聞きながら、ネスがため息をつく。

「あはは、そんなもんだよ。…リンクこそ、どこで料理なんか覚えたの?」
「村では自炊でしたから」
「あぁ、リンクにーちゃんって、勇者になる前は牧童だっけ」
「ハイラルの南の森の奥の長いつり橋渡った先の小さい村で。今日は、デザートもあるんで!」

リンクはまた、厨房へと引っ込んでいく。

「…ここって、苦労人たちの集まりなの?」
「そういうネスだって、なんかあるんだろ?」
「うんまぁ、それはそうだけど」
「そのおかげでこうして笑っていられるんだ」
「…俺、おかわりもらいに行ってきます」
「うわ、アイクにーちゃん早ぇ!」
「一言も喋らずに、黙々と食べてたものね…」

マルスは苦笑しながらアイクを見送る。

「彼も苦労してるしね」
「あんな呑気そうに見えて、傭兵団の団長だもんねぇ」







「え!?お前の分はちょっとデカめに作ったんだぞハンバーグ!」
「足りん」
「マジかよ…いや、見越して余分には作ってあるけどさぁ」
「ぺぽ!」
「か、カービィ…」
「…………」

ライバルの出現に、アイクの眉間にシワがよる。
リンクはため息。

「大食漢が二人も……」
「ぺぽぽー」
「早くよこせ」
「アイク、口調が強盗…あー、じゃぁアイクが先に来たから、アイクにハンバーグね」
「ぷー!」
「カービィにはデザートをサービスするから。ね?」
「ぺぽー!」

「はぁ…ここの食事当番疲れるんだよなぁ…」

くる、と厨房を覗き込んだリンクの視線の先には、せわしなく動き回るザコ敵軍団。
料理を作るのは当番員だが、盛り付けたり皿を洗ったりするのは彼らがする。
配るのも8割は彼らだ。

「…お前らも大変だよなぁ」

その言葉を聞いたブルーが首を横に振る。

「え?なに?…ネスたちのほうが手に余る?」

ブルーの身振り手振りを、経験を元に翻訳する。

「味付けが…滅茶苦茶だから?自分達がこっそり直してる?あー、そうなんだ…」






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こんなんだったら面白いのに。と、突然思ったので。
グレン風火山ハンバーグが食べてみたい!!

2011.02.11.up


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