仮想空間
□新参者
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その知らせをもらった時は陽が南にあったのに、今はもう、沈みかけている。
盤上には、40枚の駒が規則正しく並んでいる。
その自陣から王を取り、金を一枚取り、残った金も取った。
秀吉様が亡くなり、
利家殿もいなくなり、
……三成が、処刑された。
「…結局お前には、両の手で数えられるほどしか勝てなかったな」
勝ち逃げしやがって、と思うたびに、少しの後悔ともいえるような感情がわいてくる。
これでよかったのか?
俺が守りたかったのはなんだ?
あいつは夢想家だったが、猪突猛進な馬鹿ではなかった。
あいつが豊臣を想っていたのは、よくわかっている。
俺が守りたかったのは…"俺たち"の未来だったはずなのに、お前はいない。
だが俺に、感傷に浸るような暇は無い。
次は俺の番だ。
「…俺が守ってみせる」
お前が独りで背負おうとした豊臣を、今度は俺が背負う。
「見てろよ、――……」
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短くまとまりました。
ちなみに、今のような将棋になったのは400年ほど前の事らしいので、戦国時代がそうだったかは微妙です。
2011.02.04.up