不幸なあなたに花束を
□3rd:涙の理由
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「なーおちゃーん!あっきやまー!こっちこっちー!」
「福永さん!江藤さん達も、皆さん元気そうで!」
いつもの笑顔で、待ち合わせた仲間達と話す直。
秋山はその後ろから、ポケットに手を突っ込んだこれまたいつものスタイルでついてきていた。
福永の呼びかけで、敗者復活戦に参加した全員が集まっていた。居酒屋で飲み会を開く、というのだ。
「それはこっちのセリフだよ、直ちゃん!」
「ホント、よかったよねぇ!」
「皆さん、その節は、ありがとうございました!」
「いやいや、僕達こそ、直ちゃんに救ってもらったんだから!」
「あれぐらい、どうってことないよ」
(……さっきからなんの話してるんだ、コイツ等は)
「秋山も、あん時と変わらず難しい顔してるなぁ」
「ちょっとは笑ったりしたらどうなの?」
「………ほっとけ」
秋山の疑問は、飲み会の終盤に解けることになった。