Actual×Dream
□はじまりG
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「・・あ、そういえば千代ちゃん・・。」
辺りを見渡すと、フェンスの向こうをよろめきながら歩いていくジャージ姿の女生徒発見。
あれって千代ちゃんだよね?
ああ、帰っちゃう・・。
走って追いかけようかと思ったけど、やめておいた。
どうせ明日になれば来てくれるんだもんね。
それにもう一つ、大事な事を忘れてた。
「花井君。」
「な、なんだよ!?」
不意に名前を呼ばれて身構える花井君。
「・・ホントに野球部入らないの?」
「う、や・・。」
まだ迷ってるのかな?
でも、花井君が入部してくれないと困るよね。
西浦が勝ち続ける為には必要不可欠な人だもん。
「やめるなんて言わないで。ね、お願い!」
花井君の手を握り、訴える。
「な、んでアンタがそんな・・。」
「だって花井君は、大切な人なんだもん!」
西浦の皆にとって、ね。
「た、大切な人って・・。」
花井君が顔を赤らめてどもる。
あれ?
私、何か変なコト言ったっけ?
「う、ま、そこまで言うなら入ってもいーけどっ!」
プイッとそっぽを向き、花井君は入部の決意をした。
何かわかんないけど結果オーライ?
これで一安心だね。