Actual×Dream
□はじまりF
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頭にハテナマークを多数浮かべるうちに話が微妙に変わった。
「あとは打たせた球捕ってくれる野手と、1点入れてくれる打者がいれば」
低く、そしてゆっくりと阿部君は言った。
「甲子園に行ける。」
おお〜言い切ったよ阿部君!
カッコいいぜこのやろー!!
「ム・・ムリです・・。」
ちょ・・!!
誰よ、せっかく阿部君がカッコいいのにそれをぶち壊す発言かましたKYは!
って、三橋君だったね・・。
「行けるとは言い切れなくても一応目指せよ!」
はあ?一応だぁ?
なーに言っちゃってんのよ、このすっとこどっこいの梓ちゃんは?
「一応!?なんで!?オレぁマジ行くつもりだけど!?」
おっ、さすが田島君。
生粋の4番っ子は言う事が違うねぇ。
ぎゃーぎゃー揉めるらーぜを鎮めたのは、モモカンの言葉。
「野球をホントに楽しめるのは、ホンキで勝とうとする人間だけよ。」
・・すごい、心に響いた。
「私は勝ちたいの。やる前からムリムリ言ってチームの士気下げるような人に1番はあげない。」
「ム・・ム・・ムリじゃない・・。」
真っ青になって震えながら言っても説得力ないよ、三橋君。
勿論モモカンにもバレバレ。
「あんまイライラさせると、ぶつよ。」
右に同じ。
三橋君が弱気になる理由を私は知ってるし、無理もないと思う。
けど、それはそれ、これはこれ。
勝つ気がないなら、初めからやらなきゃいい。
やる気のある人だけが、やればいい。