Actual×Dream
□はじまりF
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そうして始まった真剣勝負、まずは空振り後ショートゴロでスタートを切った。
三橋君の絶妙なコントロールも然る事ながら、阿部君のリードもまた絶品。
さすが阿部君、惚れ直しちゃう。
とか何とか考えているうちに、気付けば花井君がフライを打ち上げてアウト2個目。
その時、グラウンド上で小さな変化が起きた。
さっきまでお遊び程度に見ていたバックから、
「ナイピ!」
「あとひとつ!」
三橋君を応援する声があがる。
同時に三橋君にも心の変化が起きる。
さっきまで、自分はダメピーだと信じて疑わなかった三橋君。
阿部君のリード、そして仲間からの励ましで彼は思う。
ホントのエースになれるかもしれない、と。
阿部君がサインを出す。
三橋君が首を縦に振り、サイン通りにまっすぐを投げた。
花井君が空振る。
その目は空振りのショックではなく、ただ驚いていた。
「・・タイム!!なあ今のなに!?」
ボックスから離れ、バットも放り投げてマウンドに行き、怯える三橋君の胸倉掴んで問い詰める。
「あれは三橋のまっすぐだよ。」
三橋君の代わりに阿部君が答えた。
「受けたヤツまで言うか!ありゃストレートじゃねえだろ!?」
「三橋の持ち球にストレートはないんだ。投げる時って腕が・・・・・・バックスピンで特殊な・・・・。」
なにやら専門的な事をつらつら喋る阿部君はさすが西浦のプレーンだなって思う。
誰も話についていけてないけど・・。
そしてお手上げ状態の阿部君に代わり、シガポが色々と説明を始める。
私は漫画読んでもアニメ見ても今聞いてもチンプンカンプンさ☆
今度もう少し野球の勉強をしておこう。
うん、そうしよう。