Actual×Dream
□はじまりB
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頭より先に体が動いたらしく、気付けば廊下に飛び出していた。
だって、二次元だけど本気で大好きな人が、私の目の前に現れたんだよ?
じっとなんかしていられない。
「阿部君っ・・。」
「あ。昨日の・・。」
私を指差し、驚いた表情の阿部君。
ぶっちゃけ驚いているのは私の方なんですけどね。
まさか阿部君が、私の事覚えててくれたなんて。
「・・昨日の、変な女。」
阿部君にそう言われ、
『阿部君が好き』
『阿部君になら抱かれてもいいなー』
うわあああああ!?!?
瞬時に思い出される自分の発言(エコー付き)。
こ、こうなるとわかっていたら、あんな事言わなかったのにいぃぃぃ!!
ああ神様、どうか、どうか!
今すぐ阿部君から昨日の記憶を消し去ってください・・。
頭を激しく振り、せめて自分の記憶だけでも消し去ろうと試みるが、当然無駄な足掻きというヤツで。
「・・やっぱ変な女。」
恥の上塗りをして阿部君に不審がられる私でした・・。