紅の祈り

□1話
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「名前は何という?」
「絳攸と申します」
シンと静まりかえった室内に王様の凛とした声と自分の声だけがやけに響く。
「年は?」
「18になります」
「巫姫の掟は知っているな?」
「はい」
巫姫にはいくつか掟が存在する。全ては神から国を愛してもらうため。今の質問には『知っているか』どうかではなく『守れるかどうか』の意味が込められていたハズだ。私は迷いもなく直ぐに返事をした。だって巫姫になりこの国の平穏を祈ることはあの方たちのことを祈ることにもなるのだから。
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