紅の祈り

□1話
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今から私は巫姫になる。

この国が平和であるために、黎深様のお役に立つためにも。




今までに着たことがないような白いノースリーブのロングドレス、履き慣れない革のサンダルで少し足に違和感を感じながら私は王様の前で礼を取った。側で見ている大臣や役人たちの視線を痛いくらいに感じる。
「顔を上げよ」
「はい」
言われた通り顔を上げて王様を見る。
権力に溺れた様子は一切ない、まだ若いとは知っていたけれどもしかしたら自分より年下ではないかと思う。
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