【軌跡】
□創成期C小5→小6
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かんとく、守備機会0
頑張って振ったらスーパーポテンヒット。
やったネ。
うふ。
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さて、ここは学校。冬も近づく秋終盤。
5年生となると「自我」というものが存在する。
「個」というものが確立する。
シベの面々は飽きていた。
ただ繰り返すだけの単調な日々に。
シベの面々は飢えていた。
この退屈を吹き飛ばすような刺激的な何かに。
イガ「つまんねーなー」
かんとく「なー」
コージ「なー」
naoki「なーー」
kenta「ねー」
こんなことの繰り返しだ。
だけどある日、担任I倉先生がこんなことを言った。
I倉「デビルマンの歌の中に、私の事言ってるような部分があるんだよねー」
シベ(あっそ・・・・)
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読者諸君はなぜ突然デビルマンが出てきたのか意味不明なので説明しよう。
ちょっと前にやったなんかの催しで、主将のクラスの男子が、デビルマンの歌を使ってダンス的な何かを披露していたのだ。
そいつらは運動神経がいいので、いわゆるバク転や側転などをキメかっこよく踊っていた。
むろん、シベの中にそんなことできる奴などいない。
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そう、最初は「あっそ」としか思っていなかった。
I倉の話など歯牙にもかけなかった。
だけれど、誰かが提案した。
「なぁ、俺らもデビルマン踊ろうぜ!!」
「は?あんなの俺らに踊れるわけないじゃん!!」
「だいたいいつどこで誰に向けておどんだよ!!」
最初は当然の反対意見。当然だ。
しかし、芸術方面には定評のあるIGAが言った。
「あいつらの真似じゃなくてさ、俺たちは俺たちのデビルマンを踊ればいいんだよ!!」
−俺たちには俺たちのやり方があるー
それを示してくれたIGA。
かんどうしたっ!!
・・・・(いろんなやり取り)・・・・
『よし、やってみっか!!!』
こうして、シベの面々は自分たちで音源を手に入れ、振付を考え、場所と時間を確保して練習に励んだ。
みんなの顔は生気とやる気で満ち溢れている。
小学生らしい、希望に満ち溢れた表情が戻った。
彼らにはもう、未来を望まぬ老人的な雰囲気など微塵も感じなかった。
刺激がないなら、自分たちで作ればいいーー
−−そして1週間後ーー
昼休み、40分の休憩時間。
ざっざっざ(←誰かが来た)
ラジカセをスタンバイし、自分たちの教室の前の廊下にスタンバイした8人の漢たち。
なんだなんだと集い始めるクラスメートやガヤども。
観衆は十分だ。
そろそろいくか。
ゴツッ ←互いに拳を合わせる
自信と不安、緊張と昂揚が混じるシベの面々。
IGA(ゴクッ・・・・←唾をのむ)
かんとく「なんだ、ビビってんのか」
IGA「びびびび、ビビってねーし」
naoki「準備できたな、いくぞ・・・」
カチッ ←ラジカセのスイッチオン
・・・♪〜♬♪〜♫〜〜
1999年秋、シベリアーズ、まさかの音楽デビュー。
(次項に続く)