【軌跡】

□軌跡外伝1 ーシベリアーズ命名秘話ー
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かんとくは考えていた。いや、悩んでいた。






いつもの連中の集まりをより面白くするために

団体として活動しようと。

きっと反対はされないはずだ。


だけど、名前をどうしよう・・・・







変な名前じゃ馬鹿にされておしまいだ






面白くて、インパクトがあって、俺達らしくて

10年後にはファンがついちゃうくらいの

そんな“ビビッ”と電流が走るような

しびれる名前がいい。






しかし、思いつかない。


かんとくは悩んでいた。



かんとくは悩み事があるときはそのへんをフラフラ散歩しながら考え事をする。


仕方ない、散歩に行こう。




















かんとくは豊平川の河川敷にいた



歩いていた



‥‥‥‥‥‥何も思いつかない



まだあるいていた。もうじき日も暮れる。











(・・・・・がやがや)







んっ・・・・・・・・



顔を上げる






道の向こうに楽器を抱えた4人組のオヤジたちが歩いている



おやじ達が真剣に話をしている




















ふと、ギターを抱えたおっさんが立ち止まった







コートから何かを取り出し、クシャクシャに丸めて投げ捨てた









そして去ってゆくおっさん達














‥‥‥‥‥‥‥













かんとくは丸められた紙を拾って開いてみた











マジックで「Mr.ADULTS」と書かれ大きな○が
書いてあった














その上には……






































「伏古シベリアーズ」と書かれ大きく✖印がつけてあった






















‥‥‥‥‥‥

















かんとくは、ちらりとオヤジ達の背中を見つめ


紙を2つに折りたたんでポケットにしまうと


踵を返し、夕暮れの土手を引き返していった……

















































ーー2002年秋 シベリアーズ 結成前日ーー







(完)

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