星霜

□星霜U
3ページ/122ページ




29話

『連休の予定は…?』









───  昼休みの屋上


「皆さん、G.W.のご予定は何かありますか?」


相変わらず仲良く皆で過ごしている中、遥が皆に話題を提供。






「オレは…」

「はいは〜い!私は合宿を提案しま〜すっ!」

何か言い掛けた切原の言葉を遮り、元気よく手を挙げて提案したのは姫。






「合宿、ですか…」


「本当はさあやと二人っきりでお泊まり!がいいんだけど!そんなの精市が絶対!邪魔するから皆で合宿!それならいいよねっ?」

R陣を落胆させ、幸村に笑顔で振り向く姫。





「…それはさあや本人に聞いた方がいいんじゃないかな…?」

珍しく幸村がさあや本人の意思を促す。




「さあや?」

「?……合宿、て…何?」

ボケボケ発言に場の空気が白ける。





「…お約束、じゃのぅ」

「さあや…。もう少しテニスに興味持ってくれないかな?」

さすがにフォローではなく、やる気を促す幸村。


「えぇ?………テニスの話してたの?」

嫌そうに答えたかと思えば、更に全く気付いていなかった事が発覚。





「…そうだよ。
夏休みにはいつも泊まりがけで俺が出掛けてただろう?覚えてない?」

「………ああ。旅行じゃなかったの?」

「どこまでボケてんスか…」

切原を始め、呆れ気味の面々。





「精市…話してなかったのか?」

「言ってた筈なんだけど……解ってなかったみたいだね」

苦笑するしかない幸村。





「…天然、じゃのぅ」


はっきりさあやにバカだろ、空気読め、それ位気付けよ、等とからかったり突っ込んだり、叱ったりする行為は幸村の怒りを買ってしまうのと同じ。


わざわざそんな喧嘩を売る様な真似をするバカは既に立海R陣の中には居ない。


…為、さあやの天然度は今日も加速するばかりだ。








「さあや!体験合宿しよう!すっごく楽しいんだよ〜?皆でお泊まりって!」

「…泊まる、のはちょっと…」

嬉しそうに迫る姫に対し、さあやは困惑気味に言葉を濁す。





「あ…さあやの家って親とか厳しいの?」


「精ちゃん…?」

「…かなり厳しい方だと思うよ」

「そう、なんだ…」

「何で精市が答えるのよ!?」

「基準、解らない」

「!」

最もな意見をさあやに返され、少しショックを受けている姫。



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ