short(書)

□あ、やばい、幸せかも
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付き合い始めてから少し経つ今、私は、まだ先生に好きって伝えたことがない

最初はこんなに先生のこと好きになると思わなかった

付き合い始めて発見したこと

2人きりだとすぐに抱き締めてくれる甘えん坊ってこと

忙しくても必ず夜電話してくれたり、けっこうまめなとこ

意地悪だけど頭を撫でてくれる時の優しい目

全てが愛しいと思えてしまう

もうこれ以上好きになれないってくらい好きなのに、毎日それ以上に好きになってく

バレるといけないからデートも滅多にできない。家なんて以ての他。
学校で逢えることは本当に嬉しいけど、モテる先生の周りにはいつだって女の子がいる

バレンタインだってきっとたくさん貰うんだろうし

正直辛いの

けど私はその中の誰にも負けたくない


“12時になったら窓の外見てね”

そうメールを送った

時刻はちょうど午前0時

愛しい人が窓から顔を出した

『先生!』

家の前で大きく手を振る私に、先生はかなりびっくりしてた

「!おまっこんな時間に何やってんだ!」

急いで外に出てきて、学校での先生口調で言う

『ちょっとコレ渡したくて』

私が差し出したのはキレイにラッピングされたチョコ

この日のために、苦手な料理を特訓してきた

『先生!』

呆然とチョコの箱を見ていた先生は、ハッと我に返った

「ん?」

ドキドキしっ放しの心臓を落ち着かせようと、吐いた私の息が白く色付く


『“好き”です』


目を真ん丸くさせる先生が何だか可愛くて、今すぐ抱き締めてあげたくなった

「バ―カ…このためにわざわざここまで来たの?」

『だっ…て…』

言い返し終わる前に、私は先生の腕の中にいた

「お前冷たい…何分待ってた?」

『……30分くらい?』

早く着き過ぎちゃってと、へらっと笑う私に先生は、またバカって言って、抱き締める腕の力を強くした


『チョコと一緒にもれなく私も付いてきますけど…』


私の言葉に優しく笑ったあと、すぐにいつもの意地悪な笑顔に戻って言った


「最初からお前は俺のなんだよ」


あ、やばい、幸せかも


(本当にお前もくれんの?)
(変なこと考えんな、エロ教師)


早く食べた方がいいよ

熱い2人の傍に置いとくと、チョコすぐに溶けちゃうからさ






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