special
□アンケート小説
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「ほらひな。選べよ。欲しいもんねぇの?」
さっきからこればっかり言う涼。
久しぶりに街に連れていってもらえてすごく嬉しい。
けど今だに涼の金銭感覚にはついていけなくて、買い物に行ったときはいつも困ってしまう。
「ま、待って。迷ってるから…っ」
「あー?どれと」
俺が見てやる、と身を乗り出してくる。
どきっとした。急に顔が近くなって、ふんわりと煙草のにおいがわずかに薫る。
「えと…このへん」
並んでかけてある服の4着くらいを示すと、呆れたように目を細める。
「大して変わんねぇよ」
「ちがうもんっ」
無神経な発言にぶーたれる。