Novel
□恋、音色 05
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恋、音色 05
レンが我が家にやってきて次の日。正直あまり納得がいかない。
だって普通のボーカロイドじゃない理由が『10000コに一つだけ実体化版のボーカロイドがある。それが私の家にきた鏡音レンなわけ』というらしい。
まぁ、ただラッキーだったってこと。
そう簡単に片付けてられてしまった。
機能には別状はないから安心して?とは言っていたが…
ま、いっか。
私はチマチマしたことが嫌いなの!
運がよかったってことでよし☆
「マスター!」
「あっ、レン起きてたの?」
今は真夜中。
昨日の今日で、あまり寝付かなかったからテレビを見ていた。
そこにやってきたレンはモジモジとネクタイをいじりながら顔を赤くした。
「や、なんか。寝れなくて、さ」
「そっか、じゃあ私と同じだね」
私が言うと、レンは「あの、その」と繰り返し呟いた。
何か言いたそうにしているが、パクパクと口を動かしているだけ。
私が首をかしげると「あのさ」と続けた。
「なに?」
「あの、その。お、オレが一緒に寝てやってもいけど!」
…はい?
寝てやってもいい、と?
いつお願いしたっけ。
記憶をたどってみたが、そんな事を言った覚えがない。
『うーん』と少し考えていると、不安そうに眉を顰めながら「だ…め?」と言ってきた。
可愛いからそうしてやろうじゃないか。
レンの表情に心をうたれ、「じゃあ、お願いします^^」と笑顔で答えた。
その言葉にパァッと効果音がつきそうなぐらいレンの表情は晴れた。
「ど、どっちで寝る?オレの部屋?それともマスターの部屋?」
はりきっているようだ。
なんか、可愛い。
ちょうど空き部屋があったので、そこをレンの部屋にした。
別に同じ部屋でも構わないとレンは言ってたけど、やっぱり14歳と15歳なんですし。
レンに感情がなかったとしても、やっぱり、ね?
という訳で、レンには新しい部屋を用意してあげた。
「レンはどっちがいい?」
「マスターの部屋!…あ、べ、べつにどっちでもいい!」
即答された後に恥ずかしそうに言いなおすレンの姿にかなり萌えたよ。私。(え
「じゃあ、私の部屋でいい?」
何事もなかったかのように私からそう言うと、嬉しそうに微笑み「マスターの部屋で寝てやってもいいよ!」と言った。
ホント、素直じゃないんだから。
まぁ、そこが萌え要素なんだけどね ty
続く
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