SS.CROSS ROAD ♯1

□ケミカルリアクション〜Episode 4〜
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※プロローグから順にお読み下さい。
※性的な表現が含まれています。自己責任で。


あの時、他の皆が諦めたのを見て、しょうがないか、と。
うっかり戒めを解いてしまったのが、どうやら秀虎の最後だったらしい。


これは予想外だったな、と。珍しく秀虎は内心焦っていた。


**********************


酒が入ると、いつもの穏やかで優しい木場は別人になってしまう。

木場と秀虎は学生の頃からの長い付き合いだ。
その事は重々承知していたはずだったのに…。

酒の入った木場は、口淫を頑張った秀虎を優しくする所か、
襲いかかった挙げ句、ぴったりと閉じていた秀虎のシャツの胸元を、
鋭い音を立てて、左右に引き裂いたのだった。

「っ…!!」

千切れたボタンが、床を転がる。
その音を何処か遠くに聞きながら、
秀虎は、背後に密着した木場に口腔を弄ばれていた。

「ん…っ、ふ…!!」

口内に射精された体液ごと、舌を柔らかく弄られる。
じくじくと掻き回される度に、鼻に特有の青臭さが抜け、
慣れない秀虎は、苦さに小さく咽せた。

そんな息が整わない秀虎を木場はソファにうつ伏せに押しつけると、
背後からベルトを引き抜き、そのまま一気に秀虎の下半身を露呈させた。

さっきまで死守していた肌が次々と外気に触れていくのを、
隙を付かれた秀虎は、ただ黙って見ている事しか出来なかった。

「あっ…!」

木場が露わになった秀虎の臀部を戯れに甘噛みする。
そして、ぬらぬらとナメクジの様に舌先を秀虎の肌に這わせていった。

「あ、…ン…!」

舌先は次第に、緩やかなカーブの奥へと進路を向けた。
そして、秀虎本人でも触れない秘密の入り口を探り当て、
その温かい肉孔の中へと侵入を試み始めた。

「アッ…、き、木場…そ、こは…!!」

流石の秀虎も、拒絶の悲鳴を上げる。
しかし木場はそんな秀虎の羞恥心を煽るように、
ジュルル…と美味そうに音を立てて、秀虎の蕾の襞を解き始めた。

「あっ…マ…ジで…、ぁ…んん…!!」

優しく、丁寧に。木場は秀虎の固く結んだ蕾を花開かせていく。
木場の尖らせた舌先が体内と外を行き来するその度に、
ソファのレザー地に秀虎の爪が食い込んだ。

入り口が随分柔らかくなってきた所で、木場の顔がようやく離れる。
その間ずっと力んでいた秀虎は、詰めていた息を吐き出し、
木場に尻を突き出した格好のまま、気怠い疲労感を弄んでいた。

しかし、木場は秀虎を休ませない。
力無くソファの上にダラリと垂れていた腕を取ると、
先程自分が散々嬲っていた秘孔に、その手を宛った。
胸騒ぎを覚えた秀虎は、弾かれた様に顔を上げる。

「木…場……?」
「…自分で拡げて下さい。」

秀虎は、一瞬この男が何て言ったのか理解出来なかった。

「木場…何、を…。」
「…自分で拡げて、俺に見せて下さい。秀虎さん。」

ここ、と緩み始めた蕾にキスを落とされる。

秀虎は、その要望に一瞬躊躇いを見せたが、
木場の言う通りに、己の指を蕾につぷりと差し入れた。

そして、柔らかくなった襞に指を引っ掛けると、
ぐぐっと自ら両側に広げた。

「よく見えません、もう少し拡げてください。」
「ッ……!!」

この年下の男に、自分はどうして逆らえないのだろう。
秀虎は口唇をきゅっと噛むと、今度は両手で左右に拡げた。
そうすると、木場に納得した様な笑みが浮かぶ。

桃色に色づいた秀虎の肉腔は、木場の目の前でヒクヒクと痙攣し、
まるで可愛がってくれと甘えている様だった。

「き、ば…。俺…あんまり、こういうのは…。」
「あぁ、昨日シたばっかりだから。まだちょっと赤いですね…。」

まだ少し赤味の残る縁を舌を伸ばし、くるりとなぞった。

この、強く美しい人をこんな風にしたのが自分だという事実に、
木場は何とも言えない陶酔を覚えていた。

「アニキの身体は…こんな所も綺麗なんッスね…?」
「っ…き、木場…もういい加減に…!!」

そんな箇所を、人前でジロジロ見られて。
流石の秀虎も羞恥心の限界だった。
許しを懇願した秀虎に、木場は小さく笑うと、
秀虎の指をゆっくりとソコから外してやった。

思わず、秀虎は安堵の息を吐く。



しかし、その安堵の時間もそう長くは続かなかった。



「ヒ……!!!」

突然、体内に襲ってきたヒヤリとした感触に、
秀虎の背中に緊張が走った。


何事か、と。後ろを振り返る。


「あ、動いちゃ駄目ッスよ…。」

秀虎は木場の行動に目を見張った。
なんと、木場は秀虎の広げられた部分に、
水割りの為に用意してあった氷の粒を挿入していたのだった。

「な、にして…ア…あぁっ…!!」

もう時間が経っているせいか、半ば溶けかけて水が滴っているソレは、
秀虎の桃色の蕾に、いちも簡単に難なく呑み込まれていく。

当たり前だが、こんな場所に異物を埋め込まれた事は今まで一度も無い。
それは自分の常識を逸脱しており、秀虎は腰の奥でゴロつくモノに眩暈を覚えた。

「あ…、よ…せ、…!!」

慌てて腹に力を入れて、何とか外に出そうと試みたが、
心無い指先に、ググッと更に奥へと押し戻された。

「んああぁっ…!!」
「へぇ。氷入ってンのに…秀虎さんの中、熱いままなんスね…?」
「あ、ン、き…ばぁ……!」
「あぁ…押し戻されてる。力入れちゃ駄目ッスよ…。」

何個自分の中に入っているかは定かでは無かったが、
それなりの数が埋め込まれているらしく、
木場の指先が肉壁をくちくちと掻き回す度に、
ごろりごろりと、何かが当たっている様な感覚が走った。

「うっ…ん、う…あぁ…ッ!!」
「此処から溶けて流れてる…分かりますか?アナタの熱に氷が負けているのが…。」

秀虎の内股には、孔から溢れ出る水が何本も筋を作っていた。

木場は掻き回していた指を引き抜くと、
氷を含んだ秀虎の入り口を、流れ落ちる滴ごと音を立てて啜り始めた。

「な…っ!?う、あぁーッ…!!」

秀虎の背筋に、寒気に似た快楽がゾクゾクッと腰から首まで走り抜ける。
その淫らな部分は、木場の舌に突かれる度に可愛らしく収縮した。

内臓がキュウキュウ動く度に、ギチギチに埋め込まれた氷粒が、
秀虎の腰の奥でカチカチとぶつかる。

腹に力を入れる度に、秀虎の中にある過敏な脈を氷が引っ掻いた。

「んんっ…!!」

引っ掻いては、離れる。撫でられては、離れる。
その不定なもどかしい刺激に、秀虎の息は次第に甘さが滲み出した。

氷を取り出す事も許されず、ただ溶けるのを待つばかり。
蕾から溶けては流れ落ちる滴は、秀虎の肉体をとめどなく濡らす。
そんな、まるで色情魔の女の様な自分の出で立ちに、
秀虎の思考は、次第に麻痺してきた。


「…秀虎さん。」

ボンヤリした頭の時に、名前を呼ばれる。
秀虎は、とろりと溶けた目のまま、木場を見やった。

…その時だった。

「…ぁ…ん、あ、ーーーーッ!!!」

強い衝撃に、秀虎の瞳から涙の飛沫が散った。

氷が埋められた肉道に、何よりも熱く滾った塊が、
異物を掻き分けながらずるりと音を立てて入り込んできたのだ。

「す、げぇ…秀、虎さんの、こん、なに…っ…!!」
「あ、も…木場ッ…!?ア、あぁっ…!!」

木場に最奥を抉られ、氷の欠片には内壁を擦り上げられて。

強すぎる快感に啼く秀虎の、千切れた悲鳴が涙と共にソファの上で弾け飛んだ。




**********************



酒癖の悪さは木場がナンバーワンだ。

だが、この男だって負けていない。


「ねぇ、俺の事好きなんでしょ?」
「ぐぅっ…!んっ…ん…っ…!!」
「好きって言って…ねぇ…?」
「んあぁっ…ああぁっ…アアアーー!!」

殴り合ったり、首を絞めたり。
なかなか物騒な愛情表現を施し合っていた、
このロックンロールカップルは、
どこのカップルより、早く合体を済ませていた。

「だ、れが…テメェなんか…を…!!」
「強情だね。それだけ泣かせ甲斐があるけど…ほら。」
「ア、あ、ーーーーーーっ!!!」

後ろ手に縛られたまま、抱かれ続ける阪東は、
その嬌声を塞ぐ事も出来ずに、ヒロミの動きに翻弄されていた。

腰を引き寄せられる度に、阪東の背中は宙に浮き薄い胸を突き出す。
その胸にある、色づきは既にヒロミに散々可愛がられており、
ぷっくりと赤く熟れて、少しでも触れると弾けてしまいそうな程に膨らんでいた。

「何?また此処を可愛がって欲しいの…?」
「っ…死…ねっ…!!っく…!!」
「素直じゃねーの…でもアンタ、ここ触られるの好きだよね…?」

ヒロミは胸を突き出し、腰をくねらせる阪東に冷笑を吹きかける。
阪東がそうなる様に、わざと動いているのに。
阪東への嗜虐心が人一倍あるヒロミは、阪東がとにかく嫌がる様に、
腰を進めながら、その甘い果実をぎゅっと捻り上げた。

「あ、…ウーーー!!!」
「ふふ…乳首弄っただけで、アンタの中ってヌルヌルになるんだ?」
「う…るせぇ…っ…!!!」
「ねぇ、知ってる?ちょっと痛くした方がアンタの中、すっげぇヨくなるの…。」

アンタ、マジで俺のチンポ可愛がりすぎ。と、下品な言葉で笑うヒロミに、
思わず睨みつけようとした阪東だったが、その度に腰を進められ、
その逞しさと深さに、その眼光は甘くとろけるばかりだった。

「っ、ク…ソッ…!!!」
「ねぇ。俺の事、好き?」
「ふぅっ…!んんっ…!!ーーん!!」

浅く、緩く動かしながら、ヒロミは阪東の言葉を強請る。

ヒロミも酔っぱらったら、なかなかの酒癖の悪さで。
木場の様に暴れたりの類は無かったが、とにかく『絡む』のだ。

「言わないと、ずっとこのままだよ?」
「ん、んぁ、あ、ん、ぐっ…ング……!!」

阪東を熱の流動が襲う。
キュゥゥと阪東の淫肉がヒロミにしがみついた。

「あ…あぁ…あ、ーーーーア!!」

足が床を蹴り、何度目か分からぬ体液を腹に重ねる。
その姿を、ヒロミは満足そうに傍観していた。

「はぁ…っ、は…。」
「お疲れの所悪ぃけど。俺、当分萎えねぇから。」
「…あ、も…休憩ぐらいさ、せ、…!!」
「人聞き悪いなぁ。アンタが勝手にイキっぱなしになってるんじゃん。」
「あっ、アあアァ!!!」

まだ固さを保ったままのヒロミの怒張が、
まだ痙攣の残る阪東の腰を揺さぶりだした。

「よせ…!ア…もう…無…理、だ、…!!」
「ンな事言って…ちょっとずつ射精してねぇ?」

ヒロミが腰を進める度に、阪東の先端は震え、
自ら淫靡な白濁をピュク、ピュク…と吐き出していた。

「っ…!?あ、あぁ…!!」
「こんなスケベな身体しておいて、何が無理だって…?」

意地の悪い言葉を放られながら、顔を覗き込まれて。
阪東のプライドはズタズタに切り裂かれた。



「…や、だ……もう…嫌、だ…。」

涙声に染まった阪東が弱々しく頭を振る。

そして、とうとう子供の様にぐすぐすと鼻を鳴らし、
薄い胸板をしゃくり上げ始めた。



「ぅ…!…うくっ……!!」
「………。」

しかし、ヒロミは阪東の溢れた涙に全く動じず。
ただ、ずっと張り付いていた笑みをスッと消しただけだった。

「嫌…?…なんで?」
「も…勘弁し、…。」
「だから、何で?」

何度もヒロミが問うても、阪東は上半身を丸めて肩を揺らすばかりだった。
ヒロミは目を冷たく細めると、乱暴に阪東を犯していた楔を引き抜いた。

「ひぃ…ぅ…!!」

その衝動に、阪東が小さく呻く。
後孔からは散々中出しされたヒロミの体液が零れ落ちた。

ヒロミは沈黙したまま、阪東の腕を戒めていたシャツまでも解いてやった。

あんなにしつこく迫っていたヒロミが、あっさりと身を引いた事に、
願っていた結果だったはずなのに、阪東は何処か薄ら寒さを覚えていた。


ヒロミはおざなりに前を仕舞うと、よいしょと膝を立て、阪東から離れて行った。



ヒロミ…?



ヒロミの行動の意図が読めなくて。
急に不安が襲った阪東は、思わず上半身を起こす。

ヒロミが向かった先は…阪東が予想も出来なかった場所だった。



「秀虎さん…ちょっとイイ、ッスか?」
「ん…っ、……?」

ヒロミが向かったのは、木場の膝の上で貫かれていた秀虎の所だった。
背後から彼を抱きしめていた木場も、何事かと顔を上げる。

「阪東にフラれちゃったんです。俺も慰めてください。」
「っ…!!」


ヒ、ロミ…!?

突然、自分から秀虎に趣向を乗り換えたヒロミに、
恋人である阪東は、驚きの息を呑んだ。


「…あ、…なに、言って…?」
「あんまり優しくはないですけど。…上手いですよ?俺。」
「ぅ、あぁッ…!!」

ヒロミは何を思ったか、秀虎の耳に歯を立てたのだった。
貫かれた状態では、どんな刺激にも過敏に反応していまう。
秀虎は、声を漏らしてしまった事にカッと頬を染めた。

「可愛い声。耳、感じやすいんスね…?」
「…?や、ちょっ…ひ、ろみ…!」
「木場。ちょっと味見させてくれよ、秀虎さん。」
「…入れんのはナシだぞ。」
「ちょっ、木場!?何、勝手に…!!」

戸惑う秀虎の口唇を、ヒロミはしーっと人差し指で黙らせる。
その木場と同じ歳とは思えない色香に、秀虎の心臓は思わずドキリと縦に揺れた。

「そん…な、…阪東が…。」
「いーから…ジッとして?」

にっこりと微笑んだヒロミは秀虎の両頬に手を添えると、
その緩く細められた口唇を、秀虎のそれに近付けていった。


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