SS.CROSS ROAD ♯1
□ケミカルリアクション〜Episode 3〜
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※プロローグから順にお読み下さい。
※性的な表現が含まれています。自己責任で。
「りんだ…。」
「……阪東…。」
「秀虎さん…!」
可愛い、可愛い、年下の恋人。
…可愛さ余って憎さ100倍。
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阪東に続き、リンダまでもが年下の毒牙に掛かってしまった。
だが、こればかりは致し方ない。
何だかんだ言って、リンダは春道に惚れているのだ。それもかなり重度に。
リンダと言えど元を質せば健全なる男子。
何より恋い焦がれる人間が、『好きにしていい』と言っているのだ。
そんなチャンスを、自ら、みすみす逃すわけは無く…。
「んっ…ぁ…。」
リンダは、春道の滑らかな肌に手を這わせ、
春道の要望どおり、突き出された胸に甘いキスを施してやっていた。
どうやらリンダは、ヒロミの様に手荒では無いらしい。
優しく、丁寧に。まるで宝物を扱う様に春道の身体に火を点していく。
しかし、酒で頭の奥が鈍っている春道は物足りなさを感じていた。
横では阪東がヒロミに無理矢理力でねじ伏せられている。
ヒロミも阪東もセックスの時は別人の様だった。
優しいヒロミは、野獣剥き出し。尖っている阪東は恍惚に溶けている。
「あれ?ここ、膨らんできてない…?ねぇ?」
「う…るせ…っ!も…触んな…っ!」
「こんなんなっても口が減らねー奴だなぁ?アンタは…。」
ヒロミの声のトーンがガクッと下がった事に気付いた春道は、
リンダの愛撫を受けながらも、思わずヒロミに目を向けた。
そこでは、笑みがすっかり消え去ったヒロミが、
目に見えてガチガチに膨らんでいる阪東の股間を、
衣服の上からギリギリと握り込んでいた。
「うあっ…ああー…っ!!」
それは、見るからに痛そうで春道は思わず身を竦めた。
「すっげぇ、ガッチガチ…。」
「っ…い…た…!痛…っ…!!」
「痛くして欲しかったんでしょ…?」
阪東が苦しそうに藻掻けば、ヒロミは表情に笑みを戻し、
今度は、優しく胸を撫で、口唇で肌を甘く啄むのだった。
サド、とか。マゾ、とか。ヒロミが言っていたのは、
こういう事だったんだなと春道はぼんやりと思った。
「ン…ア、ああぁッ…!!」
甘く苦しそうに喘がせられる阪東を見て、いつのまにか春道は興奮を覚えていた。
春道は阪東と違って、痛みを伴うモノは基本的に嫌いだったが、
優しい愛撫ばかりというのは、もどかしい様で。
もうちょっと位、酷くしてもいいのに…と、
口には出さないが、春道はリンダに対して常々思っていた。
リンダに言えない理由は至ってシンプル。恥ずかしいからだ。
セックスに対して好き者みたいに思われる事も、
リンダにおねだりして甘える事も、春道は出来なかったのだ。
しかし、常々思ってる事だからこそ、
酒が入るとポロリと口にしてしまうのが人ってもので……。
「なぁ…もっと酷いのがいい…。」
「は…?」
そんな春道の言葉に、ビックリしたのはリンダだ。
春道の髪や肌の匂いに、胸を潰されながらも、
無茶をさせないようにと、必死に理性を繋ぎ止めて、
とにかく紳士的に、と気を嫌と言うほど使っていたからだ。
それなのに、そんなリンダの心の葛藤や気遣いをキレイに無視し、
春道は、とんでもない言葉を口にしてしまったのだ。
「な…んだと…?」
「痛すぎるのは嫌だけど…優しいのばっかじゃなくて…。」
リンダは、春道の予想外の要望に、一瞬耳を疑ったが、
ちゃんと他の連中の情事も、不本意だが聞こえているので、
どうも聞き間違いというわけでは無いらしい、と考えた。
絶句して、黙り込んでしまったリンダに、
とろん、と酒と情欲でとろけていた瞳が曇り、
おずおずと下向きになっていく。
「あ…わ、わかった。」
そんな春道に気付いたリンダは、慌てて春道に声をかけたが、
春道はまだ心配なのか、下を向いたまま、
目線だけをチロッとリンダに向けた。
「っ…!!」
この無意識に出る、春道の小悪魔にリンダは何度もやられていた。
間近で、可愛く上目遣いされて。不覚にもその顔をとても気に入っているリンダは、
春道を乱暴に抱き寄せ、赤く充血した胸の飾りに歯をカリッと引っ掛けた。
「あ、っ…!」
「…痛かった、か?」
「ん…、気持ちい…、今くらいのが、好き…。」
ふるふると首を振って、ふにゃんと笑った後、
春道は、もっと噛んで…とリンダに再び甘え始めた。
リンダはヒロミさながらに無理矢理犯して泣かせてやろうかと、
目の前の春道を、この時ばかりは恨めしく思った。
一方、その頃。もう一組は…。
「秀虎すわぁぁぁん…!!!」
「えっ!?わ、わわっ!!」
木場の突進で倒された秀虎は、床に強か背を打った。
しかし酒が入った木場には、秀虎を気遣う余裕なんて無いらしく、
秀虎の身体を下に潰したまま、秀虎の顔中にキスを落としていた。
「ちょっ…木場!?」
「秀虎さん…!!秀虎さぁぁん!!」
秀虎は、まるで大型犬にじゃれられている飼い主の様になっていた。
ムツゴ□ウさんって、こんな気持ちなのかなー…などと、
この状況下で呑気に秀虎がそんな事を思っていると…。
「じゃ、アニキ。失礼します!」
「…えっ!?」
気付けば、やる気満々の木場は秀虎の衣服に手をかけようとしていた。
「いや、ちょっ…ちょっと待てって!」
「待てねぇッス。負けらんねぇッス。」
「や、えっと…木場、とりあえず落ち着け?な?」
盛りのついた大型犬に“待て”をして、
ようやく秀虎は、木場の身体の下から脱出する事が出来た。
身を離した秀虎に、木場の口がぶすっと尖る。
「あにきぃ…。」
「心配すんな。ちゃんとするから…。」
「へ?」
秀虎は戸惑う木場をソファに座らせ、自分はぺたりと床に座った。
「あに、き…?」
「俺が口でシてやるから…な?」
「く…ち…?」
「うん。」
秀虎の申し出を木場が理解するまで、数秒掛かった。
木場の酒でとろけた目が次第にギラギラと獣じみたモノと化していった。
「アニキが…くっ、くくくく…!!!?」
「あ、言っておくけど。経験そんなに無ぇから下手だぞ?」
そう、小さく笑う秀虎に、木場はぶんぶんぶんと勢いよく頭を横に振ると、
何を思ったか、突然三つ指突いて“宜しくお願い致します!”と頭を下げてきた。
実は秀虎のこの申し出には裏があった。
秀虎は頭を使い、冷静に事を進めようとしていたのだ。流石年長者と言った所だろう。
秀虎がいかに何事にも寛容とはいえ、一般常識を思慮すれば、
ここで二人とも全裸になる事には、些か抵抗がある。
そこで秀虎が閃いた事が、口淫だったのだ。
これなら、衣服を取り去ることなく、木場の欲求を鎮圧する事ができる。
これも皆の前でするのはどうかと秀虎は思ったが、
これだと、身体の全てを見せる必要は無い。
所謂、苦渋の選択というやつだった。
「こーら、あんまりジロジロ見るなよ。」
「あっ…す、すんません!!」
秀虎は思いっきり目を逸らした木場に小さく笑うと、
目の前のベルトを抜き、木場のフロント部分を緩めた。
そして、はぐっと木場の欲望を口内に迎え入れた。
「あっ…秀と…らさ…!!」
温かく濡れた空間に、敏感な部分がヌルリと吸い込まれる。
その淫らな感覚に、木場はぶるりと身体を震わせた。
「ン…む…。」
同じ男同士だ。何処をどうすればイイか何て手に取る様に分かる。
秀虎は、木場の熱くなり始めた先端を、濡れた肉に擦りつけながら、
ゆっくりと頭を前後に動かしていった。
「はぁ……は…っ…。」
柔らかかった欲望は、若さ故か、直ぐさま固く逞しくなった。
秀虎はその肉芯を覆う薄い皮膚を、口唇で上下に擦っていく。
その度、木場の口からは切ない喘ぎ声が吐息と一緒に漏れていった。
「んっ…ぁ…はッ…、ぃ…!」
目をぎゅっと閉じて荒い息を吐く木場に、秀虎も喜びを感じ始めていた。
自分の舌技で、こんなに感じてくれている。
木場の素直な反応に、すっかり気を良くした秀虎は、
口内から木場を外すと、次は根元を手で締めながら、
柔らかくした舌で側面を可愛がっていった。
「っ…秀、虎さん…ッ…、…!」
顎の疲労を隠し、一生懸命下から上へと舐め上げていると、
木場は、そんな秀虎の頭を優しく優しく撫で始めた。
木場…?
髪の隙間や耳の後ろを優しく擽る掌に、
秀虎の胸は愛おしさに押し潰されていく。
頭を撫でて貰う事が、こんなに心を満たす物だったなんて…。
秀虎が舌を過敏な部分に這わせる度に、
木場の指先がグッ、グッと秀虎の頭を掴む。
秀虎は堪らない気持ちになって、狭く窄めた口内に、
再度、木場の全てを奥まで呑み込んでいった。
「ん…ン…!」
ガチガチに固まった怒張が喉咽に刺さる。
しかし、秀虎は奉仕の手を休めようとはしなかった。
「ア…っ、ひで、とらさ…!!」
違うモノで濡れ始めた鈴口を唾液ごと啜ると、
収縮する肉の中で、木場が強い快楽に鳴く。
「は、ぁ…秀虎…さ、…ん…っく…。」
「んむ…ぅん…んっ…。」
秀虎の髪に絡んでいた木場の指が、頭に痛いぐらいに食い込んでくる。
恐らく、絶頂が近いのだろう。木場の額に光る汗粒がそれを物語っていた。
苦しそうに眉を寄せた木場が小さく呻いたと同時に、秀虎の頭をぐっと寄せた。
「っ…!!」
「んっ、ンーーーー!」
木場の固い茂みが、秀虎の鼻先に刺さったのと同時に、
熱い鉄砲水がドクドクと上顎に当たっては舌の上に落ちていった。
その間も、木場の腰の動きは止む事なく。
秀虎の温く柔らかい口内を、延々犯し続けた。
「んっ、…んっっ…ん…!!」
秀虎の目尻に涙が滲み始める。
木場の逞しい怒張は、何度も何度も秀虎の口内で欲望を吹き出しては、
その無防備な喉咽奥へと、ドクドクと流し込んだ。
そして、それは木場の腰の動きが緩やかなモノになるまで続けられた。
「ン、…げほっ!」
吐精し終わった木場が、ズルリと音をたてて秀虎の口内から這い出ていった。
自由になった秀虎が、口内全体に絡んだモノで思いっきり咽せる。
げほっ、げほっ、と何度も喉咽を動かしても、
子種がビチビチと弾ける、ドロリと濃い木場の体液は、
秀虎からなかなか離れようとしなかった。
しかし、秀虎の思惑はこれで成功となった。
他の二組の様に裸に剥かれる事もなく痴態は何とか最低限に抑えたのだ。
ちょっと顎は疲れたけれど、これで俺は終わりだな、と。
ホッと胸を撫で下ろした秀虎だったが…。
「っ、ぐっ…!?」
前から伸びてきた手に、無理矢理、上を向かされた。
木場…?
その手の主は木場だった。
口に含ませられたままの秀虎の顎を木場が捉えていたのだった。
その、突然の行動に秀虎は目を丸める。
「…秀…虎さん……。」
射精して、スッキリしているはずの木場は
未だに何処か熱に浮かされた様な瞳で、
下に跪いている秀虎を見下ろしていた。
その欲に濡れた瞳に、秀虎の頭に嫌な予感がよぎる。
え…?まさか、これで終わりじゃ、ない…とか?
「見せて下さい…貴方の…口の中…。」
そんな言葉に戸惑う秀虎を尻目に、木場は秀虎の口の中に指を差し入れ、
精液で粘つく淫らな口唇を、こじ開けてきた。
「ん…はっ…!」
出口を与えられた欲望の残骸が、秀虎の顎を汚していく。
その多量の精液の奥に、秀虎の桃色の舌が艶めかしく動いていた。
「秀虎さん…なんて貴方は…。」
「……?」
憧れである秀虎の淫靡な絵図に、木場は思わず喉咽を鳴らすと、
そのまま目の前の肉体へと飛びかかっていった。
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