SS.WORST ♯2

□LUMP SUGAR BULLET
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※性的描写を含みます。自己責任で。


「……!!」

部屋に入った瞬間、息を呑んだ。
思わず、ここは俺の部屋だよな?と再確認してみたり。

えっと、家に帰ってきて。誰も居ねぇのか、って階段上って。
自分の部屋に…入って…。

「おかえり蓮次。」

拓海が涼しい顔で俺を迎えてくれたんだけど…。

「あ…た、だだいま…。」




何でお前が俺の部屋に居るんだ???



**********************



逸らせなくなった目線の先。
俺のベッド。

そして、そこに腰掛けていたのは…我が恋人の拓海…。

「あ…何か用か?」
「ん?蓮次とイチャイチャしようと思って。」
「っ…!?」


ドキリ。


ちょっ…何だよ俺!『ドキリ』ってどういう事だ!


しかし、そんな俺の動揺を気にする事なく、
拓海はくすくすと笑うだけだった。

その笑顔に滲む、甘く、妖しく、誘うような目つき。
それに気付いた途端、俺は頬が熱くなるのを感じた。

「い…イチャイチャ、って…。」

一生懸命出した言葉は、他愛なく零れた。

「俺は正直に言っただけだよ?」
「っ…いや、その…。」
「言葉が足りなかった?俺は蓮次が好…」
「ちょっ…、ちょっと待てって!!」

まだまだそういう恋人同士の睦言に不慣れだった俺は、慌てて拓海の口を塞いでいた。
その俺の行動を見て、満足気に拓海はますます笑みを強める。

「っ…!?」

塞いだ後。掌に、ピチャリと濡れた感触。

俺は驚いて、拓海の口からバッと手を離した。
見れば、拓海が出していた舌先をペロリと形のいい口唇に引っ込めていた。

「舐めたの…くすぐったかった?」
「っ…!?」

ふいに、ぎし、と音を立てて拓海が立ち上がった。

な…何だ?何だ??
拓海の行動が読めなくて、おろおろしていたら、顎を易々と捉えられた。

「!?」

そうしたら、口唇をギリギリまで寄せてきて…。

「…キス、するね?」
「っ…!!?」

そして、そのまま少し強めに口唇を押し当てられた。

「ふっ…んんっ…!??」

下唇を甘噛みされて、舌でなぞられ。
そのくすぐったさに、身体がひくりと震えた。

舌先は巧みに滑り込んできて、俺の口腔を犯していく。
同時に、背中を拓海の手がざわざわとまさぐってきた。

「ふうっ…ん…んぅ…っ…!!」

身体を撫で回されるのが気持ちよくって、思わず声が漏れる。
その声さえも舌先で転がされて、舌を絡めとられた。
その度に、ぴちゃぴちゃと漏れる水音が鼓膜を刺激する。


いつもより激しめのキスは熱くって、蕩けそうで。

下半身がジンジンと熱くなってきて、腰ががくんと崩れそうになった。




ああもう…。


なんでこいつはこんなにキスが上手いかなぁー…。




そんなことをぼんやり考えてたら、ちゅ、と音をたてて口唇が離された。
顎を捕らえられたままの状態で、そのまま拓海を見つめる。

顎を捕らえていた指が、ゆっくりと俺の頬をなぞりだす。
そして顎の一番尖っている所を、こしょこしょとくすぐられた。

「ん…。」

くすぐったさに首をすくめたら、可笑しそうに微笑まれる。

「猫みたいだな。」
「え…?」
「猫蓮次。」

そう目を細めて。そして、もう一度くすぐられる。

「こ、こら…くすぐったいって…。」

首をすくめて身をよじる俺を見て、拓海が楽しそうに笑う。


あ…これって可愛いがられてるってやつなのかな…。


ちらりと拓海を見ると、凄く優しい目で俺を見ていて。
何だかそれが、凄く気恥ずかしくなって。
俺は無愛想にも、慌てて口を尖らせて不機嫌な表情をつくった。

「…どうする?」
「………。」
「皆、出かけちゃってる。」


どうするって…どうするって…。




どうもこうもねぇじゃねぇかよー…。




俺は拓海から身体を離した。
すると拓海が訝しげに眉を潜める。


俺の向かった先はドア。
カシャン、と鍵をかけて、再び拓海の所へ戻った。


「ああ、…なるほどな。」

一瞬、困惑した表情で俺を見ていた拓海だったけど。
俺の意図を察したのだろう、その口元は再び穏やかに綻んだ。

「…俺の要望は叶ったって思ってもいいのか?」

拓海が俺の顔を覗き込む。

俺は恥ずかしくなって、視線をそむけた。
口を尖らせるもの忘れない。

「…う…うるせぇよ…。」
「あぁ、ごめん。野暮だったな。」

拓海がコツコツと歩み寄ってきて俺との距離を縮める。
そして、そのままぎゅうっと抱き締めてきた。


ぽふんと拓海の肩に頬がくっつく。

俺の心臓を唯一騒がせる、拓海の匂い。


「…イチャイチャしよっか?」

突如、耳に送り込まれた低めの声に全身の血がぐらっと騒いだ。



俺はきゅっと拓海の服を握ったあと。

小さく小さく頷いた。
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