SS.WORST ♯2

□水蜜桃をひとくち
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※性的な表現が含まれています。自己責任で。

シトシトと、雨の音が静寂に響き渡る。

拓海の腕の中で眠っていた将五が、ふと目を覚ました。
身を起こす将五に、腕を絡めていた拓海もつられて目を覚ます。

「将五…?」
「あ、悪い…起こしちまった。」

拓海は、将五の身体を引き寄せると再びその腕に抱き込んだ。
艶やかな漆黒の髪を撫で、そのまま目を閉じる。
まるで自分の大切な宝物を扱う様だ。

将五は大人しく拓海の腕に身を預け、胸に頭を乗せると、
その規則正しい鼓動の音に目を細めた。

「拓海…。」

熱に浮かされたような甘い声で将五が恋人の名を呟く。

「こらこら…誘うなよ…。」

再び眠ったと思っていた拓海が、微かな笑みを含んだ声で応える。
将五はそんな拓海の胸元から身を起こし、その口唇にそっと口付けた。

「将五?」
「……………誘…われろよ。」

そう小さくボソボソと言いながら、拓海の手を取った将五は、
甘える様に、己の下肢へと導いた。

「どうしたの…?まだシたりない…?」
「…いや…、か…?」

将五は真っ赤になりながら、はしたないお強請りを口にする。
そんな将五の可愛い我が儘を、拓海が無下にするなんて有るわけがないのだが…。

将五は、もう一度拓海の口唇に口付ける、
そして、淫らな誘いを込めて、拓海のモノに指を絡めると緩やかに扱き始めた。
拓海は笑みを浮かべたまま、将五のしたいようにさせる。

将五はいつも拓海が自分にしてくれることを思い出しながら指を動かした。
手の中で次第に形を変え始める拓海のモノに、将五は得意げな笑みを浮かべる。
その、誉められた子供の様な将五の表情に、拓海は小さく笑った。

将五は指を離すと、よじよじと拓海の下腹部へと移動し、
芯を持ち始めたその先端を、ぱくりと口に含んだ。

「!??…、将…五!?」

突然の出来事に、流石の拓海も笑みを引っ込め、その顔に驚きを貼り付ける。
将五が口で奉仕するのは初めてだったからだ。
いつもは、自らこんな大胆な行動に走るなんて事は無かったのだ。

今夜は一体、どうしたのいうのだろう。と、拓海は珍しく困惑していた。

将五の舌と口唇が、初めてとは思えないほど、
濃厚に拓海を絡め取り、追い詰めていく。

「ん…んふ…。」
「っ、将五…、待てッ…。」

熱く潤んだ拓海の声に呼ばれ、将五は顔を上げた。
唾液で濡れた口唇が、艶かしい妖艶さを醸し出している。

「なんだ?拓海…。」
「無理はするな…。」

最初、拓海の言っている意味が分からなかった将五だったが、
ようやく思い当り、僅かに赤くなる。

「俺は…構わない。拓海の、を…シたいんだ…。」

そう言って小さく微笑むと、将五は再び拓海の下肢に顔を埋め、舌を絡め始めた。

「んふっ…む…、…ん、…ん、ん、ん…。」

窓を叩く雨の音に交じって、拓海のモノを愛撫する水音が部屋に響く。

視覚的に、これはヤバいな。と。
拓海は何処か複雑な気持ちで将五の口淫を眺めていた。


「将五…もう、いい…。」

拓海の制止の声に顔を上げた将五は、少し悲しげに目を潤ませていた。

「悪ぃ…。俺、下手だよな…?」
「や、そうじゃない。…もう、限界って意味だ。」
「拓海…。」
「もう、将五の中に入りたい…。」

拓海は将五の後孔に指を伸ばした。

「アッ、…ん…!!」

将五のそこは、先程の情交でまだ潤ったままだ。
過敏な部分を指でくすぐられ、将五はビクンと身を震わせた。

「将五のココ…まだヌルヌルしてるね…?」
「あ、…あぁ…!!」

ゆっくりと入ってこようとする拓海の指に、
将五は子供がイヤイヤをするように、激しく首を振った。

「将五…?」

さっきまであんなに積極的だった将五の拒む理由が分からず、
拓海は半身を起こすと泣きそうな表情の将五をそっと抱き締めた。

「…どうした?ここ触られるの、やっぱり嫌?」
「そう、じゃなくて…俺…。」
「何?言わないと分からない…?」

その口調も声も、決して将五をからかっているモノでは無い。
将五はさらに拓海へと縋り付き、その耳元にそっと言葉を流し込んだ。


「―――それ以上したら、先…イってしま…う…。」


ゆっくりと身を放した将五は、これ以上ないくらい顔を赤くして俯いている。
どうやら、自分だけ先にイクのが嫌らしい。

「…わかった。一緒にイこう…?」
「っ、……!!」

拓海は更に顔を赤くする将五の頬に軽いキスを贈ると、
その滑らかな腰を、グッと引き寄せた。

「あ、あ…、や、ぁッ…!!」

拓海が、将五の腰を動かす度に、肉の棒同士が宙で擦れ合う。
互いが互いのモノを刺激し合って、固さはどんどん増していった。

拓海の上に身を乗せている将五は、その巧みな愛撫に膝がガクガクと震える。
その手に腰をしっかりと支えられていなければ、今にも崩れ落ちそうだった。

「あぁっ…!拓、海…!!拓海…!」
「ん…?」
「俺…もう、…!!」

やはり先に音を上げたのは将五だった。
荒い呼吸を繰り返し、その合間に甘い喘ぎが漏れる。

「いいよ、そのまま腰振って…?」
「あ、アァ…あぁぁ…!!」
「我慢出来ないんだろう?」
「…ん…ん、んん…!!」

こくこくと頷く将五に、拓海は将五と自分のモノを掌に握り込んだ。
同時に達したくて、将五もまた拓海のモノに腰をくねくねと擦りつける。

「たくみ…拓、海…!!」
「将五…!」

二人は荒い息を繰り返すと、互いの腹に己の欲望を解放させた。



将五は、熱い吐息を繰り返しながらベッドへと崩れ落ちた。
シーツに散らばるその髪を、拓海は優しく撫でると、
そのまま将五へとのしかかった。

「あ、…ぁ…。」
「……将五。」

耳元で、甘くその愛しい名前を囁いてやり、
指先で胸の飾りをくすぐってやると、
将五はしがみつくように拓海の背に腕を回してきた。

「?…将五?」
「も…一回…。」
「え?」
「もう一回…呼んでくれ……。」

甘い声でねだる将五に、拓海は望み通りもう一度その名を耳元で囁いてやった。
言葉にする度に。将五への愛おしさが増した。

「将五…好きだ。大好きだ…。」
「たくみ…。」

さらに腕に力を入れて縋り付いてくる将五が愛しくて。
先程、達したばかりの拓海のモノがまた熱を持つ。


将五のその声が、表情が。赤く上気するなめらかな肌が。
拓海の男を煽り、火をつける。


「アッ、そこ…は…!!」

胸元へと口唇を滑らせ、赤く色付く突起を舌で転がすと、
将五は甘い声を上げながら身を震わせた。

「あ、んっ…ぁ…!!」

反対側も同じように可愛がってやると、
将五はまるで離すまいとするかのように拓海の頭を抱え込んだ。

「う…ン…!!」
「イイの?ここが。」

触れるか触れないかの位置でそう聞くと、
将五はビクビクと身を震わせながら何度も頷いた。

「イ、いい…っ…!拓、海…。もっ、と…!!」

煽られて、拓海は再び将五の飾りをねっとりと攻める。

交互に愛撫を施してやると、将五の下肢もまた再び熱を持ち始めて来た。
拓海は将五のモノに指を絡め、性急に事を進めた。


「あ、…く…、っ…、たく、…みぃ…!!」


その名を紡げないまま、将五の先端からトロトロと蜜が溢れ、
拓海の指先を濡らしていく。と同時に、将五の蕾が疼きだす。

「…ねぇ…入っても、いい?将五のナカ…。」
「う…ん。…俺も、拓海の、が…欲し……!!」
「将五…。」


愛しさに胸を潰され、その口唇に触れる。

いつもなら、こういう甘ったるい口づけは、
恥ずかしがって嫌がる将五だが、今は自分から舌を求めてくる。

「んっっ……!!」

重ね合う口唇を互いに貪り、溢れた唾液が顎を伝って首筋へと落ちて行く。
拓海の口唇がそれを追い掛けて吸い取り、再び将五の口唇を塞ぐ。

その間にも休む事無く繰り返される拓海の愛撫に、
将五のモノは、もう既に限界まで昂ぶっていた。

「んうっ…ンンーー!!」
「辛いだろう?我慢しなくていいよ…?」

先を促すように、拓海は片手で将五のモノを扱く。
そして、濡れた指先を将五の蕾へと這わせた。

「やあっ…アーー…!!!」

ほんの少し指先に力を入れると、将五のそこは、
何の抵抗も見せず拓海の指を呑み込んでいった。

そして、その瞬間。将五は己の精を吐き出していた。



そのままぐったりとする将五を俯せにさせ、
拓海は将五の髪をかきあげるとその項に軽くキスを落とす。

そして将五の腰を抱え上げ、目前に露わになった蕾に舌を這わせた。



「―――あ、あっ…!!!!」

初めてではなかったが、こんなふうに、
拓海を受け入れたことはまだ数えるほどしかない。

「やだっ……拓海が、見えない…の、は…!!」

シーツに顔を埋めながら、泣きそうな瞳で拓海を振り返る。

「少しの間だけだ。我慢してくれ…。」

拓海は宥めるように優しくそう言い、仕方ないというように、
将五が小さく頷くのを見て、さらに将五の蕾を押し開くと舌を埋めていく。

「あ、んっ…!…や、…っく……!!」

堪え難い快楽にのまれ、将五はシーツを固く握り締めると、
拓海の強い愛撫から逃れようと腰をユラユラと振り動かした。

拓海は将五から身を離し、四つんばいになった身体を潰していく。

熱い喘ぎを繰り返す将五が、噛み付くようにキスを求めてきた。
それに応えてやりながら、拓海の指先が将五の中へと埋められていく。
たっぷりと潤ったそこは何の抵抗もなく拓海の指を呑み込み、締め付ける。

「ン、んんーーー!!」

徐々に増やされていく拓海の指に解され、押し広げられ、
将五のそこが物足りなさを感じ始めたとき、拓海の指が乱暴に引き抜かれた。

それを合図としたように、将五は身を起こし、
自分から後孔を広げ、拓海のモノを銜え込んでいった。

「んっ…あぁ…は、…アアアっ…!!」

将五が呼吸を整えながら、ゆっくりと身を落としていく。
余分な力が入るためか、いつも以上に締め付けてくる将五の内部に、拓海は顔をしかめた。

「ごめ…将五…。ちょっと力、抜いて…?」
「や、無、理っ、…あぁぁ…!!」

拓海は諦めると、将五の腰をつかみ、一気に身を落とさせた。

「ーーーーーーーー!!!!」

最奥まで逞しい拓海を呑み込み、
将五は荒い息を繰り返しながらそのまま動きを止めた。

「将五…動かすよ…?」
「あっ…ン…拓海、…動かな…い、で…。」

動き出そうとする拓海にそう言い、将五は目を閉じる。
動きを止められ、相変わらず柔らかく締め付けてくる将五に、
今度は拓海の方が限界を感じ始めていた。

だが将五は目を閉じたまま、一向に動こうとはしない。

「……どう、した?」

焦れて聞く拓海に、将五はゆっくりと目を開くと、
小さく微笑んで、腰を浅く動かし始めた。

「しょう、ご…?」
「悪ぃ…その…拓海を、感じたかったんだ…。」

恥じらいながら言われた将五の告白に、拓海の欲情が爆発する。
表情を引き締めると、乱暴に将五の腰を掴み、激しく揺さぶった。

「ア、たくっ…早…い、あ、ああぁッ…!!!!」

激しい律動を繰り返し、拓海はいつもより早く将五の中に解き放った。

「―――拓…海……!!」

体の奥に拓海の熱い迸りを感じ、それを全身で受けとめた将五は、
甘い息と共に、愛する恋人のその名を吐き出した。

「将五…。」
「たくみ…キ…ス、…。」

甘く潤んだ声に強請られ、将五の背を抱き締めながら拓海は身を起こした。
将五の腕が拓海の首に掛かり、引き寄せるようにしながら唇を重ねてくる。

軽く啄ばむようなキスを繰り返し、微笑み合い、また軽いキスを繰り返す。


「将五…。」

キスの合間に名を呼んでやると、将五は嬉しそうに微笑んだ。
そして、さらに拓海へと身を寄せてくる。

「拓、海…。もっと、名前呼ん、で…。」

拓海は唇から頬へとキスを移し、柔らかな髪を撫でながら、
耳元に何度もその名を囁いた。


「愛してる」と睦言のような呟きを織り交ぜて。


「俺も……拓海のこと、愛してるよ……」

恥ずかしそうにそう言った将五は、また拓海の口唇にキスをした。
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