SS.WORST ♯3

□金曜日のお砂糖メイド〜後編
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「あぁっ…な…んで……っ……!」

もう少しで達する事が出来たのに…!!
ねだる視線を向けても、輝は意地悪い言葉を口にしてくる。

「俺より先にイくなよ?」
「ぇ……ぁ、無理…っ…むりだ、もう…俺っ…!!」

もう限界なのに。もう限界なのに。

輝もそんなに余裕ではないだろうが、
いつ達するかも分からないというのに我慢など出来ない。

無理だと必死に告げて、
涙でにじむ視線を向けても輝は言葉を撤回しようとしなかった。

「先に出したら…お仕置きだからな?」

そんな言葉と共に、柔らかい笑顔を向けられた。


狡い。

そんな笑顔を見せられたら、言う事を聞いてしまうじゃないか。


「いいな?」
「……分かり、ました…。」

俺には、そう答える事しか出来なかった。
ご主人様の言葉は絶対なのだから。

ひとつに固められたこの腕では、
イかないように自身へと手を伸ばす事も叶わない。

頷いた俺を確認した輝は、止めていた突き上げを再開した。

「ん…っ!!んんー…!…!!あぁー…っ!!」

発情期の猫のような。甘く、そして何処か獣じみた声が鼻を鳴らす。
噛み締めた口唇から嬌声がボロボロと零れた。


苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい。


達する限界でそれを塞き止められて、身体が苦しさを訴えてくる。
我慢しているせいか、輝のナカでの動きがよりリアルに感じられた。
太い輝のものが、入り口から奥まで、
繰り返しゴリゴリと抉っては抜けていく。

そして奥の、感じる膨らみを押し上げられた。


「ひっ…!??あああああんんっ!!」


強すぎる快楽に、大粒の涙が弾ける。

そこをぐいぐいと押さえつけられれば、意識が飛びそうになる。
激しすぎる刺激に体は震え、自身にもブルブルとした刺激が伝わっていく。

「ッあああん…!!ああんっ…!あ、あっ…!あっ…!!!」

強すぎる快楽に、首をぶるぶると横に振る。
快楽に溺れ過ぎて、俺は輝の目が情欲にギラついている事に気付けなかった。
いや、気付けていたとしてもきっと、
俺はこの強い快感に従って縋ってしまうのだろう。


「ああっ…駄目っ…だめだっ…!!!」


お仕置き…されちゃう…!!でも気持ちいい…っ…!!

射精への快感と、お仕置きへの恐怖が混同して軽く錯乱する。

甘く柔らかな体内のしこりを、しつこくグリグリと擦られ、
次第に目の前がチカチカしてきた。


「ンーーー、ああああぁぁぁッッ!」


ビクビクン、と大きく弓なりに身体が震えた。

がくがくと連続的に身体が軋むと、
その都度、自身から精液が輝の腹へと飛び散っていった。

「あぁ…あ……ああぁ……!!」

腰の奥から前へと、突き抜けていった快感は強すぎて、
達した後も暫くは震えが止まらなかった。

震えながら、俺はぐったりと輝の身体に覆い被さっていった。
もう体を動かす事も出来ずに、『あぁ…ぁ……』と、
断片的に声を出している事も自覚が無かった。

「はぁ……ん、ぁ……ハァ…」

頭がクラクラして、達した苦しさを感じ、
ドクドクと高鳴っている心臓の音を落ち着けようと、
必死に息を吐き出していく。


気持ち、よかった…。


そう思った途端、『こら』と呼ばれて。
思わず身体がぎくっと揺れてしまう。


…そうだった。

先に達しては駄目だと言われていたんだと、
俺は、この時になってようやく思い出した。


「いけない子だ。」
「あ…っ…!」
「俺は駄目だと言っただろう?」
「ご、めんな、さ…ぃ…。」

しかし、そんな言葉とは裏腹に、優しく優しく頭を撫でられた。
そしてそのまま頬を撫でられ、口唇を指の腹でなぞられて思わず腰が震える。

「て…る…?」
「お仕置き、だな。」

随分と、楽しげに告げられる。

その声に対する恐怖と、期待に。
俺の身体は、また小さく震えていった。




**********************




「あッ…ああっ…!!ひィ…ッ!ぅんんっ…!!」

この嬌声は一体誰の声なのか。

俺は激しい輝の行為のせいで、完璧に思考と身体を切り離されてしまっていた。
後ろ手に固められていた腕は、今度はベッドのパイプに繋がっていた。

「あんっ、…あんっ…!!んーーっ!!!」

スカートの前部分はハサミを入れられ、ザックリと引き裂かれた。
おかげで、他は全てきちんと服を着ているのに、
俺の恥ずかしい部分のみが曝け出されていた。

輝が俺を揺さぶる度に、パンパンに張り詰めた俺の雄が、
天を仰いでふるんふるんと何かのオモチャの様に揺れていた。

「光政。」

くち、と腰を奥に留めた状態で、輝の動きが止まった。
何事か、と。俺は涙でぐしょぐしょになった瞳を向ける。

「…っ…ぅん?」

輝に思考を向けた頭とは裏腹に、
快楽を与え続けられていた身体は、
急に突き上げを止められたせいで物欲しそうに呻く。

動け動けと急かす様に。未だ体内の輝を、きゅうきゅうと締め付けていた。

「随分、感じてる様だな?」
「あ…。」

輝がまたサディスティックに笑って、ハサミを取り出してきた。

今度は何をされるのだろう、と震えていると、
ブラウスの胸元を引っ張られ、ハサミを二箇所入れられた。

「ヒッ…!!」

ジョキン、ジョキンという、冷たい音に身がすくむ。

視線を向けると、胸元に丸く開けられた穴からは、
ピンと立ち上がった、桃色の胸飾りが晒されていた。

せっかく買ったメイド服だったが。
切り裂かれる度に、AVみたいな衣装と化していて、俺は眩暈を覚えた。

「あぁ、…も…。」
「ここも可愛がってやらないとな。」
「っ…!?」
「…好きだろ?」
「ふっ、…んぁああーーっ!!」

輝の、温かく濡れた舌先が、晒された乳首の根元をころころと突付く。
乳首をいたぶられる度に、勃起した果実がヌルヌルと逃げ回った。
輝はそれを執拗に追いかけピチンピチンと弾き回し、乳首を揺さぶってきた。

「あっ!!だ、め…!!乳首、弾くの…っ…!!!!」

シーツを何度も蹴り、イヤイヤと首を振る俺を尻目に、
輝はぢゅぢゅっと吸って、離した。

「はぁ…あぁんっ!!!」

赤く充血した乳首がぷるんと形を戻す。
輝の口に可愛がられる度に、俺の意識が遠のいていった。

「お前は…本当にココを可愛がられるのが好きだよな?」
「あぁ…あっ…ぁあ…。」
「ほら、光政…俺はお前の、何だ…?」

言え、と。突刺さったままの腰を緩く突き上げられ、それだけで肢体が震えた。

散々与えられた快楽で、頭はすっかり霞んでいる。
もうマトモな思考は俺には残っていなかった。

「あぁ…輝……は…おれの…ご主人様、で…あっ…!」

恥ずかしい事を言わせている最中なのに、
輝は悪戯っ子の様に、俺の胸の飾りを弾いた。

「で?」
「だから…おれの…ぅんっ…やらしい、×××…を…っ…!」
「…うん?」

「好きな、だけ…っ……好きに…、して…!!!」

まだ全部言い終わっていないのに、今度は腰を引かれて。
その言葉は、甘い喘ぎ声に変わった。

俺は心も身体も快楽の波へとさらわれていく。

まるで受け止めきれない甘い刺激に耐えるかのように、
俺は何度も何度も頭を振った。

「うあ、ああぁ…ぁぁっ…!!」

乳首を何度も濡らされた後、肌に輝の唾液の痕が光る。
過敏な部分がジンジンと痺れて、俺の頬には涙が伝った。

「好きなだけ…か。では、そうさせてもらおうか?」
「あっ、くぅううんっ…あ、あ、ああっ…!!」

いきなり腰を掴まれ、輝の雄が俺の粘膜に深々と突き刺さった。

激しく何度も往復する雄がもたらす快感は、身体の奥まで痺れさせる。
もはや俺には思考など残っていなかった。

あるのは、電流のように駆け巡る快感を、
すべて受け止めようとする貪欲な身体だけ。


「あっ、あぁぁっっ…!!!」
「光政…。」
「あっ、も、壊れ…ちゃう…っ…!!!」


ギシッギシッと軋むベッドに押さえつけられながら。

俺は何度目か分からない絶頂で、
その身を纏っていた愛らしいフリルを、はしたなく汚していったのだった。





**********************





「スケベ。サド。ド変態。」
「…………。」
「あんなにがっつきやがって、だからムッツリは嫌なんだよ。」

俺は、輝に対してぶつぶつと文句を投げつけていた。

輝は何か言いたそうに口をもごもごと動かしていたが、
やりすぎた自覚があるのだろう、俺の文句を咎めようとせず、
ただただ、貝の様に口を閉じ、罵倒のサンドバックと化していた。

「…謝っただろうが。」
「ったく…あのままヤってれば絶対アブノーマル行っただろ?お前。」
「誘ってきたのはお前だろ、そんな格好で。」

そう言いながら輝は俺が未だに着ているメイド服を見つめた。

でも、そのフリフリで可愛らしいコスチュームは、
もう精液と汗でぐちゃぐちゃになってしまっていて。
挙句、胸元やスカートは輝にハサミで切り裂かれてしまっていた。
これでは、もう使い物にはならないだろう。

「でもさぁ〜どう考えてもあれはお仕置きじゃなくて、ヤバイ調教一歩手前だぜ〜?」

あの後、みっちりとお仕置きされてしまった俺は恨み言を更に連ねる。
でも、ま。俺も満更では無かったけどね。気持ちよかったし。

「…ほら、とにかく脱げ。風呂行くぞ。」
「あぁ?お前が脱がせろ。でもって連れて行け。」

ベッドに沈んだまま、「抱っこ」と手だけを上げる。
それに輝は目を丸めた後、深い深い溜息を長く吐いた。

「………はいはい、ご主人様。」
「お?形勢逆転か?」
「まったく…お前には適わねぇよ。」

そんな肩を落とす輝に、ひょいと横抱きに抱えられる。


俺は、輝の首にニコニコとしがみついた後。
輝からは見えない様に、こっそりと小悪魔の舌をペロリと出したのだった。


END
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