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□Groy Story
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「その後現れた本物の魔法使いにドレスや馬車を出してもらったシンデレラは舞踏会に参加するためにお城に向かいました。そこで王子と一緒にダンスを踊りました。王子はシンデレラに一目惚れしました。
自分の人生の中で最も楽しい時間、しかし幸せは長くは続きませんでした。いつの間にか時計の針は十二時を指していたのです。説明する必要もありませんが、シンデレラのドレスや馬車はぼろっちぃ服や小汚いねずみ共が魔法で一時的に変身しているものなのです。そしてその魔法は十二時には効果が切れてしまいます。慌ててお城からでるシンデレラ。しかし階段を下る際、履いていたガラスの靴が脱げてしまいました。それが原因でシンデレラは足を滑らせ帰らぬ人となりました」
また話が変な方向にいったね!? この話も駄目じゃん!!
「あらそう、じゃあ今度はね『マッチ売りの少女』のお話をするわね。
『マッチ売りの少女』
昔々、クリスマスの夜の事。皆が楽しく聖なる夜を楽しむ中で、たった一人町の隅でマッチを売る小さな少女がいました。少女は意地悪な先輩に『このマッチ全部売るまで仕事は終わらせないよ』と言われていました。少女は早く仕事を終わらせたかったので一生懸命マッチを売っていました。でも買ってくれる人は中々いませんでした。それでも少女は健気(けなげ)に頑張ります。その時少女の前に暑苦しい中年男共が現れました。その中の一人言いました。
『ハア、ハア。お、お嬢ちゃん、おじちゃん達がマッチ全部買って上げるから、お、おじちゃん達といい事しない?』」
イヤちょっと待て!! そんな内容おとぎ話に入れちゃいけないだろ!!
「少女は言いました。『手前等(てめえら)と一晩過ごすくらいなら犬や豚と寝た方がましだよ、このロ○コン共!』そして少女は売り物のマッチでロ○コン親父共を焼き殺しました」
だから駄目だっての! さっきから子供に聞かせるおとぎ話にふさわしくない内容ばっかじゃん!! 内臓食うとかこん棒で撲殺(ぼくさつ)とかさ!!
「そして少女は自分にだけ仕事を押し付けた先輩や散々セクハラをしたエロ上司の家に火を放ち、復讐をしました。その後我を取り戻した少女は自らの犯した罪を償うためにマッチの火を自らの身に点け自殺をしましたとさ」
また主人公が死んだな!! さっきから聞いてたお話って百パーセント誰か死んでるよね!?
「そんなことないわよ、『金太郎』は誰も死んでいないじゃない。ただ動物が半殺しにされて内臓をとられているだけよ」
 それって殺すより質(たち)悪いよね!?

―――そのとき時計の鐘がなった。気づけば針は十時を指していた。

「あら、もうこんな時間。まだ眠れないの?」
当たり前だよ!! あんな話で眠れるわけねーじゃん!!
「ただいま。ん? どうしたんだ、こんな時間に」
「あ、お帰りなさいアナタ。あのね、子供が眠れなかったからね、お話をしてあげたのよ」
お母さんのお話は変なのばっかで全然眠れないけどね。
「駄目じゃないか母さん。よし、じゃあ父さんがお話してあげよう」
本当? やったー!!
「アナタ大丈夫? お仕事で疲れているでしょう?」
「なーに、大丈夫だよ。よし、じゃあ桃太郎でいいか?」
 うん!!
「じゃあいくよ。
『桃太郎』
 昔々、在る所におじいさんとおばあさんが住んでいました。ある日おじいさんは山に芝刈り、おばあさんは川に洗濯に行きました。おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃がドンブラコ、ドンブラコと流れてきました。おばあさんはその桃を拾って家に帰りました。その後おばあさんは芝刈りから帰ってきたおじいさんに桃を見せました。おじいさんは『これは大きな桃じゃ。よし、ばあさん。この大きな桃を二つに割って一緒に食べよう』と言って、台所から持ってきた包丁で桃を真っ二つに切りました。すると桃の中から大量の血が飛び出してきました」
いい加減にしろ!!!!!!!!

―――子供の叫び声は、隣町まで響いたという。

終わり(つーか終われ)
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