Ⅳ
□眠れない。
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眠れない。
なんでかって？
そりゃ簡単さ。
自分を考えていたら、
眠れなくなったんだよ。
可笑しいだろう？
ただ、自分がどういう人で在るのか
ただ、自分はどうして人で在るのか
ただ、自分は何を目指しているのか
もしくは、いたのか
ただ、自分がどういった自分で在ったか
ただ、そんな事を考えていたら
眠れなくなった。
自分が、
自分の人生の中で
もしここで、死んでしまったら
後は、どうなってしまうのだろう？
と、
そんなことを、考えていたんだ。
いや、違う。
どこで死ねば、
皆に
皆に迷惑を掛けないのか
考えていたんだ。
でも
わからない。
わからなかった。
どこで命を落とせば、
皆は幸せでいられる？
今か？
それとも後か？
それとも、
もっともっと後なのか？
わからないんだ。
なんで自分が死ぬのに
他人を心配するのか？
そう、思うんだろう？
私は、もう自分さえ見失ってしまった
私には
皆の幸せを願うしか
祈るしか
出来なくなったんだ。
だからどうか、
どうせ私が死ぬ時は、
誰も傷つかぬよう
誰も、悲しい思いは
させぬよう...
したいんだ。
これはエゴだって
判ってる
だけど、
私は弱いから
それが、私の精一杯の
――――なんだ。