パラレル

□あの子は可愛い彼氏様
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『じゃあ明日公園の噴水前で待ってるね』






















天使のように微笑んだアイツを思い出す。
それだけで顔が沸騰しそうだった。
くそ、なんでアイツはあんなに可愛いんだ・・・っ。

「ふう」
落ち着かせる為に腕立てをしながら考える。

やっと漕ぎ付けたデートだ。
失敗する訳にはいかない。

まず問題は格好だ。
やはり此処はいつもと違うところを見せてどっきりさせるべきだろうか。
こんなチャンスはまたとないのだから。

「いや、何を言ってる、俺とアイツは公認なわけだし、」
これからもアイツとデートをするわけで。
言ってから再び顔が熱を帯びてきたので腕の屈伸の速さを上げる。
























「・・・・・・・・・・・・・・何やってんだ、アイツ」
うおおおおおおと大変漢らしい声を上げながら真っ赤な顔をして高速で腕立て伏せをしている姉を見たコロネロは、
恐怖のあまり開きかけた扉を静かに閉め、見なかったことにした。






































【 あのこは可愛い彼氏様 】






































「あ、ゴメン待たしちゃった?」
「いいいいいや、私も今来たばかりだ」

慌てて駆けてきた少年に緊張のあまりぎこちなく笑いかける。
本当は3時間前からいたのだが約束の30分も前にツナが来てくれたことが嬉しい。

「うーんでも初めてのデートなのに彼女待たすなんて格好つかないなぁ」
情けなそうに頭を掻くツナは今日も可愛い。
見つめているだけで頭がぼうっとしてくる。

ぽーっと見惚れているラルの格好を改めて見たツナは眼を瞬く。
「うわ、ラル今日凄く、」



「よお」



ツナが何かを言う前に聞きなれた、
だが全く聞きたくなかった声にラルはくわっと覚醒する。
ちょっとツナはビビッて口を閉ざす。



優雅に足を運びながら、公園にいる女性達の熱い視線を全て受けながら現れた男は、
誰もが賞賛するであろう完璧な微笑でツナに笑いかけた。


「偶然だなツ、ぶはっ!」


全てを言わせずラルはそれを殴り飛ばした。
見事なアッパーカットだった。

何で此処にいるとかそんな疑問は無用だった。
どうせこのツナのストーカーのことだ。
ハイエナのように今日のことも嗅ぎつけたのだろう。
全く、いい迷惑だ。
学校のみならず初デートという記念すべき今日のスタートまで邪魔するなんて。

「全く毎度のことながら忌々しい・・・ッ」


ラルの呪詛のような声音にはっとしたツナは、
唸りをあげた拳により飛んでいった友人に慌てて走り寄る。

「大丈夫!?リボーン!」
「うぅ、」

美麗な顔を苦痛に歪ませ、リボーンはぜいぜいと苦しげに胸を押さえる。
顔は殴られたが胸は殴られていない筈だがツナは気付かない。

そんなに苦しいなら救急車をと踵を返そうとしたツナの手を取り、
リボーンは演技がかった様子で切なげに優しい少年を見上げる。

「俺は、もう駄目だツナ。あの怪奇怪力暴力女に受けた傷で今にも死にそうだっ、
助かるにはお前の温かいその唇ヴォッ」
「お前なんぞには勿体ないが俺の靴の裏をくれてやるからそれで我慢しやがれこの揉み上げスケコマシが・・・ッ」

ここまで人の顔面を躊躇なくグリグリと力一杯踏みつけられる女性も珍しい。
ガスガスと踏みつける度にリボーンの頭はコンクリートにめり込んでいく。
これには流石に慌ててツナが駄目出しをする。

「ラル!やりすぎ!」
「まて沢田、あと少しで息の根が止まる筈だから」
「いや止めちゃ駄目だからね!?」
もう少しの辛抱だという自分よりも長身の彼女を後ろから抱えるようにしてなんとか引き離す。

「止めるな沢田!
こんな奴生きていても二酸化炭素と汚物と無垢な女性を毒牙にかけて棄てるしか脳の無い最低な男だ!」
「いやそこまで言っちゃ可哀想だから!」
「お前は優しすぎるからそんな、ッ!」

(近・・・っ!)

振り返ると直ぐ近くにあったツナの顔に言葉が続かなくなる。
真っ赤になって黙ってしまったラルに、何だかツナも恥ずかしくなりぱっと抱えていた手を離す。

「・・・あ、えっとゴメン。
いきなり抱きつくようなことして」
「いいいいいいいやいいんだ寧ろ嬉し、」
「え・・・?」

ほんのりと頬を染めたツナに上目遣い遣いで見上げられ、ラルは更に赤くなる。

良い雰囲気である。











「てめーら、俺をほっといていちゃいちゃしてんじゃねえ・・・・」

ぼろぼろになったリボーンが今度は本当に生き絶え絶えに言うが、
二人とも相手にしない。

完全に二人の世界だ。




「おいツナ・・・!」

ラルは当たり前としても(寧ろとどめを確実に刺されそうなので御免だ)、ツナまで自分(自業自得とはいえ怪我人)をほっとくことにムッとした。
さっきは心配してくれたのに。

不満気に訴えるリボーンを、ラルが苛立たしげに見て、始末してくるから少し待っててくれと告げる前に、
ツナはにっこりと微笑んだ。

「俺が行くからいいよラル」
「・・・わかった」

ツナがリボーンの傍へ行くなんて嫌だったが、ツナの笑顔に弱いラルはそういうしかなかった。
それにツナは自分をほっておいてまでリボーンを甘やかすことはない。
其れ位はツナに好かれている自信はあったので大人しくベンチに座って待つ。

但しリボーンがツナに何かしたら直ぐ投げられるよう岩を持ってだが。





「リボーン、大丈夫?」
「とっても苦しいぞツナ」

ツナが来てくれたことに喜びを隠せないように笑いながらリボーンは元気に立ち上がる。
健康そのものといった動きだった。
それを確認するように見たツナはほっと息を吐いた。

「平気そうだね」
「否、お前に看病してもらわないと俺は、」

「リボーン」

珍しく遮るように言ったツナにリボーンも口を噤む。

「怪我をさせちゃったのは俺がラルの代わりに謝るね。
本当にゴメン」
「いや、お前が謝る必要は、」

ペコリと頭を下げたツナにリボーンは慌てるが、ツナは気にせず続ける。

「でもね、俺今凄く怒ってるんだ」
「え?」

少し低くなった声と、頭をあげたツナの顔見たリボーンは蒼白になった。


(ヤバイこれは、・・・ッ!)


「・・・・お前、さっきラルに何て言った?」
「えっとその、」
「あれは女の子に言う台詞じゃないよね」
「・・・・・・・・・・・・」


静かに。
だが確実に心底激怒しているツナにリボーンは口を意味も無く閉口させるだけで何も言えない。

まあ今日は痛み分けってことでこれで終わりにするけどと静かにツナは嘆息する。



「次、俺の大切な彼女に酷いこと言ったら・・・」



リボーンが恋する少年は、琥珀の瞳を鋭く光らせて宣告した。











「絶交だから」










大好きな少年に本気で睨まれたリボーンは、言葉も無く頷く他なかった。
























「随分長かったな・・・」
「ごめんごめん、ちょっとお説教してて」

不満げな顔をしているラルに、
申し訳無さそうにツナが謝る。

こういう顔にも弱いのだ。
照れ隠しについ可愛くないことを言ってしまう。

「し、仕方ないな。
悪いのはあいつだし、そこのホットドックを奢るので許してやる」
「うん、有難うラル」

にこにこと笑って軽く了承したツナに、ラルはまた赤くなった。













果たして自分はこの可愛すぎる彼氏と赤くならずに接することが出来る日が来るのだろうか。























「あ、ラル。良い損ねてたんだけどね、」
「うん?」


「今日の服とっても可愛いね。凄く、似合ってる」


口の端に付いたソースを拭き取られながらドキドキしちゃったよとはにかんで言われ、

「・・・・・・・・・ッ!」




それは一生無理なことだと悟った。


































<...fine?>

















まあ、それでもいいと思ってしまうくらいラルはこの可愛い彼にメロメロだといいv

リボーンはちょっと可哀想ですが、ツナもラルに負けない位ラルを大切に思ってるのでv
それにコレくらいでへこたれるリボ様じゃありませんからね。
ツナはリボーンの気持ち気付いてませんし(お約束/笑)

ちょい役の弟君ですが、ラルに彼女・・・、じゃなくて彼氏がいることは知りません。
何気シスコンなんで、彼氏が出来たと知ってどんな奴かと見定めに行って逆に惚れて帰って来て苦悩するという(笑)

書くかは未定なんで、とりあえずこの話は終わりです〜。





・・・・・にしても甘い。

甘すぎる;;;

甘々を目指したとはいえ頑張り過ぎた;;;

うう、もう当分甘いものはいいです、ごっつぁん状態です、うぷ。

書いてて凄い恥ずかしかった。。。 _| ̄|○//////

コレが自分の限界だな、うん(悟)

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