短編

□イノベイター・クリスマス
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「リボンズー!!」

僕の名前を叫びながら走ってくるのはリジェネ。

(呼ぶ、じゃないよ。馬鹿でかい声なんだから)

しかもサンタのコスプレしてる。

(男のクセにミニスカはくなんていい度胸してるよね)

うわぁ、ホント関わりたくないな。


「あ、ちょうどいいところに。」

リヴァイヴがこっちに向かってきてるじゃないか。


「やぁリヴァイヴ、どうしたんだい?」

「あの、リボンズ。次の計画のことなんですが・・・。」

リヴァイヴは真面目だなぁ。・・リジェネと違って。

(まぁ比べる対象間違ってるけど)

「うん、それで?」

「時期なんですが、もう少し早めでもいi『ゴッ!』・・・」

鈍い音がして、リヴァイヴの体がグラリとかしいだ。



「ねぇ・・・僕のリボンズに手ぇ出さないでくれる?」


「リ・・・ジェネ・・・・・・(パタリ)」

・・・リヴァイヴが、倒れた。


・・・・・・。・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・っ!?


「リ、リヴァイヴ・・・?」

しゃがみこんで体を揺すると、リヴァイヴはうっすらと目を開く。


そして―




「・・リボンズ・・・・。もし・・僕が死んだら・・・・」

え、遺言?遺言なの?



「・・・・・・・・・台所の食器・・・洗っといてくださいね・・・・カビるので・・・(カクン)」


リヴァイヴはフッと笑って、意識を手放した。


・・リヴァイヴ、戦闘不能。(でも戦ってない)

※コレ書いた人(雪輝)はリヴァイヴ大好き人間です。


「リヴァイヴゥゥゥウウゥゥゥゥウッ!!」

僕は思わず床に手をついた。


「言うことショボいよぉぉぉおおぉおおぉぉぉぉおっ!!」

なんて家庭的な男なんだ!

というか君が全部洗ってたのか!ヒリングの担当のハズなのに!


あぁと嘆いていると、ふっと視界に影がかかった。

顔を上げると、ブリングがリヴァイヴを担ぎ上げているところだった。


・・・あ。今リヴァイヴの頭ソファの角にぶつけた。

どう見ても事故だから仕方ないけど。


ぼんやりと眺めていると、ふいにブリングがこっちを見た。

「・・・・・。」

どうやら、リヴァイヴを部屋に送
るつもりらしい。


「うん、わかったよ。リヴァイヴをよろしく。
 くれぐれも部屋に着いたからって床に落とさないようにね。」

ブリングは黙って頷くと、リヴァイヴの部屋に向かって歩いていった。


あー・・・あの、無言で目で訴えるのどうにかならないかな・・・。



「リーボーンーズー♪」

ぞわっと、寒気がした。

振り向くと、やっぱり声の主、リジェネが。


「これで邪魔者はいなくなったね。」

笑顔。笑顔。清清しいまでに、笑顔。

ガシッと、腕を掴まれる。

もうダメかと思ったそのとき、


「ちょっとリジェネ!リボンズに何してるのよ!!」

ヒリングがやってきて、僕からリジェネを引き剥がした。

救世主、ヒリング。

食器洗いのことでお説教しようと思ってたけど、やめてあげるよ。


途端に、リジェネの目が不機嫌そうに眇められた。

「なにヒリング。僕のジャマする気?」

リジェネの声が、寒くなるぐらいに、低くなる。

「するに決まってるじゃない。」

ヒリングも、負けじと言い返した。


・・・絶対零度、メギツネVSメギツネ(?)睨み合い開始。

うわぁ、火花が見える・・・。


ヒリングには悪いけど、
リジェネの注意が君に向いているうちに逃げさせてもらうことにするよ。

ティエリアのところにでも行って、愚痴でもこぼしてこよう。

しばらくリジェネの相手、頼むね。


そう決めて、僕はその場をあとにした。



Merry X'mas
(君は、僕と同じようなクリスマスを過ごすことがないようにね)











 

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