短編

□Trick or...
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シャワーを浴びて服を着ると、なんだか違和感が・・・

・・・・・・。・・・・・・・・・明らかに、すりかえられてるよね・・・。

それにしても何で魔女?ていうか着る前に気づこうよ自分。

(しかも帽子がカボチャランプだよ。)(危ないよね)


とりあえずそのままシャワールームから出ると、

ハレルヤがいた。(いると思ったよ)

そして理解する。今日が何の日か。


「今日ってハロウィンだったんだっけ。」


すっかり忘れてた。

僕の中のイベント事の優先順位って、随分低くなったみたい。

(ハレルヤがいるから、それだけでいいし。)(イベントなんて、別にいらない)


「でもそれも、ちょっと寂しいのかな?」


たまには、いつもと違う日があってもいいか。

そんなことを考えていたら、ハレルヤが、僕の方に手を突き出してきた。


「Trick or Treat。」

「あぁ、お菓子くれなきゃイタズラするぞ。でしょ?」

「おう。」


少しだけならこの格好で、君に付き合ってあげる。


「でも僕お菓子持ってないんだよね。」

「じゃぁイタズラだな。」


ニヤリと笑ったハレルヤが視界から消えたと思ったら、

首筋に、ちくりと痛みが走った。


「イタズラ。」


再び視界に戻ってきたハレルヤは、そう言って、自分の首筋を軽く押さえた。

鏡でそこを見てみると、赤い、痕があった。



Trick or Trick

(最初から、Treatの選択肢なんて用意してなかった)(だから、あのタイミングを狙った)
  (アイツは俺のモノだっていう、印が欲しかったから。)






・ 2008.10.12  10月末までフリー
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