短編

□言えなかった分だけ、君をずっと。
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・・・・・ひとりは、嫌だよ。

君がいたから、僕は生きてこれたんだよ?

なのに、いきなり、離れてって。

大切なモノが、手のひらから、すり抜けて。


「・・・僕は、どうすればいいの?」


君は【世界】からいなくなってしまったけど、

僕は、【世界】にいる。まだ、生きてる。


だけど、僕の『セカイ』は壊れてしまった。

君がいないと、あの『セカイ』は成り立たないんだ。

君がいないなんて・・・僕には、考えられない。

考えようと思ったこともなかった。考えたくもなかった。

それだけ、君の存在は、大きかった。

すぐにでも、君を追って逝きたいくらい。



でも・・・それじゃ、君が消えた意味がなくなるから、

君の死が無駄になってしまうから。


・・・まだ逝けない。追いかけられない。

まだ、消えられない。




だから、生きるよ。この【世界】で。

君の分まで、生きてみせる。

どんなに辛くても、苦しくても。

絶対に逃げないって、誓う。


それで・・・いいんだよね?ハレルヤ。



ふと、頭に何かが触れた。


『お前は、大丈夫だ。』

声が、聞こえた。


「・・・ハレルヤ・・・?」


大切な、最愛のヒトの声。

聞き間違えるはずはない。


うしろを振り向くと、一瞬だけハレルヤが見えて、消えた。

僕に、優しく微笑んでた。


「ハ・・・レルヤ・・ハレ・・・ル・・・っあぁぁああぁぁぁああっ!!

堪えていた涙が、一気に溢れ出した。



最後まで君は、僕の背中を押してくれた。

「ゴメン、ハレルヤ。ありがとう。・・・愛してる。」


たとえ君がいなくても、僕は君を愛し続けるよ。

言えなかった分、強く強く、君を想い続ける。

君という存在を、胸に抱いて、生きていく。


「・・・最期は、君が迎えに来てね。」

それまで僕は、自分の足で、歩いていくから。






・ 2008.10.5 ガンダム00セカンドシーズン始動
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