物語

□よくある男子校。
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コンコンと扉をノックする。



ついにここまできてしまったと雫は顔を青ざめた。





ガチャリ。と音と同時に「白石蓮」らしき人物が現れ、僕は驚きのあまり目をパチパチと見開いた。




だって、あんまりにも綺麗で格好いいんだもん。




と頭の中で思ってから挨拶する。




「や、山梨雫ですッ!き、今日は精一杯頑張ります!」




ペコリと頭を下げると「白石蓮」はじっと僕を見てからサッサッと部屋に入ってしまう。




人が挨拶してるのになんて奴だ。


と思いながら僕もヒョコひょこと後をついていく。









「とりあえず脱げ」




その一言で僕は固まってしまった。



確かに覚悟はしてた。

だけど僕は初めてで、少しくらいムードってものを大切に出来ないのか!!
とムッとした。






「脱げねぇなら脱がしてやろうか?」




初めて近くで見た「白石蓮」はすごく綺麗だったけど、威圧的で威張ってて僕は嫌いだと思った。




「あ、の…僕…初めてで……」




しどろもどろになって言った僕に対して「白石蓮」はたった一言。




「だから?」





なんてサイテーな奴だ!と徐々に怒りが沸いてくる。



そんなのお構いなしに僕の服に手が伸びてきたのを見て僕はおもわず叫んでしまった。



「や、やだ!や、やめて…」



拒否の言葉を吐きながら後ろへと下がっていって僕は壁際に追い込まれてしまった。




そこで僕はパニックになった。



やっぱり嫌だ。



だって怖いし、愛なんてないし。


しかもこんな嫌な男やっぱやだ。





手探りで後ろにあった花瓶を掴むと勢いをつけて「白石蓮」の頭を狙う。



今、僕には冷静さなんて全くなくて、ただ逃げたかったんだけど花瓶は「白石蓮」の頭を避けて床に衝突した。



なんでかっていうと僕の手を寸前で今隣りに立ってる男が掴んで止めたからだ。



「おい、おい、蓮。危うく殺されるとこだったな。」



クスクス笑う男を僕は見つめる。



この人、知ってるかも。




生徒会、書記。




新宮憲政(しんぐうのりまさだ。
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