物語
□よくある男子校。
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どうしてこうなったか、とかなんでこんな事に、とかもぅ後悔しても遅いかもしれない。
白鴎私立男子高等学校。
に入学した僕はとっても驚いた。
ここは男同士で恋愛している人がいっぱいいたからだ。
しかも親衛隊なんてのもあって僕は目眩がしたほどだった。
僕が入ったクラスは「1-S」
そしてさらに驚いたのは「1-S」の人達はほとんどが「白石蓮」の親衛隊だということだ。
休み時間のおしゃべりは「白石蓮」の事で、僕は友達がほしくて、「白石蓮」についてのプロフィールを頭に叩きこんだり、別に入りたくもない「白石蓮」の親衛隊にも入った。
皆が格好いいとか毎度のように言うから僕もそうなのかな、て思うようになってきた。(実際美形なんだけど近くで見た事がない)
そんなこんなで流されに流されて僕はついに二年生に上った。
そして2年生に上って二か月目のある日のことだった。
「おめでとう!最高の光栄だね」
キャッキャと騒ぐ先輩達に僕は笑顔を作ろうとして失敗した。
絶対に嫌だと思ってた。
「白石蓮」はごくごくたまに親衛隊に夜の相手をさせる。
多くて月一回のペースで親衛隊の誰かから選ばれる。
1学年400人のこの学校は全体で1200人もいるマンモス校だ。
親衛隊は200人前後でその中で夜の相手に選ばれる人なんか一年で多くて36人なんだ。
どうして僕が。
流されに流されてここまできてしまった。
好きでもない「白石蓮」の親衛隊に入り、いじめに荷担してしまった事もある。
それでも嫌だ。
僕は女の子みたいにフワフワした体の子とデートしたりチューしたりしたいんだ!!
でも、皆の反応は、
「すごーい!すごいね!おめでとう雫(シズク)」
「おめでとう。君もこれで親衛隊幹部候補決定だね」
「先輩羨ましいですぅ。きっと白石様はとろけるような快楽をくれるんでしょうね!」
先輩や後輩、同級生までもが羨望のまなざしを向ける。
ヒクリと僕の顔が歪む。
僕は嫌といえるはずもなく……
「僕にはもったいない…辞退してもいい……くらいの光栄ですが…精一杯頑張ります…。」
山梨雫、17歳。
これが僕の転機となる事件だった。