自傷

□切り裂かれた亜夏羽
1ページ/1ページ

















ただ、永い夜が重かった。

















「―…さとる、」




「……ん?」




「…覚さんは、もしこのまま夜が明けなかったら…どうする…?」




「……………」












裸のままベッドの上で煙草を吸っている覚さんは、少し顔を歪ませた





















「―……逃げるよ。」




「…は?」




「………お前連れて、どっか遠くへ行く。もしかしたら夜明けが来る所があるかもしれねぇし」










…この人は、馬鹿なんだろうか。













「…そんな場所、無かったら?」





「別にいいんじゃねぇの?貴浩と一緒ならどーでもいいや。」



















なんとなく、嬉しかった


















「…覚くんは馬鹿なんですね」




「なっ…」




「ふふ…、ありがとう」




「………。」














照れたように 布団で顔をかくした覚さん





















このまま夜明けが来なくていいとか、ちょっと思ってしまった。
















End
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ