自傷

□Cinderella.
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カチ...カチ...













新弥が帰って来ない。








もう日付が変わるのに。













あのヘタレ…
俺をほったらかしかよ…














「…もう…」









寂しくなんてない








寂しくなんて…














「……ばかぁ…」













一応ハロウィンだし



ちょっと張り切ってご飯作ったけど…








無駄になっちゃったなぁ…













「捨てようかな…」









ピリリリリ...











「ッ………」







携帯が鳴った








こんな時間に誰だ…










渋々画面を見た刹那、目を見開いた












「ッ…もしもし…!?」



『あ…咲人…?』



「……にーや…」



『ごめんな、今日仕事長くなってさ…、』



「…ううん」



『あの…玄関開けて…?』



「……ん…」










俺は携帯を持ったまま玄関に向かった
















「なっ…」



「………こんばんは。」







扉の向こうに立つ新弥の頭には………猫耳。












「えっ…」



「…お菓子くれなきゃ悪戯すんぞ。」



「…ぷっ」








顔真っ赤だ…



可愛い…












「お菓子って?」



「……たかひろ。」



「…俺はそんな簡単に食べられないよ?」



「……食べてやるよ」



















11月1日、深夜0時






新弥が、帰って来た。















End
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