小説(短編集)

□温かなむくもりは?
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オレはラビ。

例により任務でアジア近辺にあるある国に来ていた。

そして今は夜。

任務も一段落ついて、部屋でゆっくり休んでいた。

「ふわぁ〜、つっかれたさ。ここんとこ任務続きだったからなぁ」

ついつい独り言を…

教団に居るときはいつもこの時間あいつがいたから…

「疲れてんだな、風呂に入ってさっさと寝るさ」

オレはコムイが教団に大浴場を作ったので、湯に浸かるのが好きになった。

幸い此処がアジアでホテルの個室にも小さな浴槽があったのでお湯を溜めに行った。

その時、オレは気づいていなかった。

窓の外に黒い蝶が舞っていることに…



しばらくしてお湯が溜まったので入りに行った。
「ふぁ〜、いい気分さ〜」

オレはしばらく湯船のなかで寛いでいた。






「失礼するよ、あれ、ラビ?」

俺はティキ・ミック。

ラビの恋人だ。(自称)

愛しのラビがこっちに来たって聞いたから遊びに来たのに…

しかしよく見ると風呂場から湯気がやんわりこぼれていた。

「なるほど…」

俺は風呂場に近づいた。





湯船に浸かり始めて約20分。

そろそろ頭がぼんやりしてきたので出ようかと思ったときなんの前触れもなく風呂場の戸が開いた。

「!?」

オレは驚いた。

この部屋にはオレ意外に誰もいないはずだからだ。

「今晩は、ラビ♪」

オレの疑問はすぐに解けた。

目の前にはいつも以上に神出鬼没な男がいた。

腰にタオルを巻いただけという、かなりラフな格好で…

「ティキ!!なんで居るんさ!?つか、勝手に入ってくんな」

オレは驚きのあまり湯船から立ち上がった。

「うぅ〜んラビ、いい眺めだな♪」

にやけながら言われたその台詞に今の自分の状況を理解し、慌てて湯船に戻る。

「だって俺も仕事して汗かいたしほこりまみれだし…いいでしょ?ラビ」

特上のスマイルで訊かれるとなぜだか断れなくなる。

「じゃあオレ出るから、あんた一旦外出ててよ」

「い・や♪」

軽く身体の汚れをシャワーで流し、狭い湯船に侵入してくる。

「ちょ、なんであんたも入ってくんだよ。狭いのに…」

「狭いからいいんじゃん。それに一人で入るより二人で入った方が楽しいだろ?」

オレはティキが入ってきたと同時に湯船の端に逃げた。

といっても狭いので少しは接触してしまうのだが…
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