小説(短編集)

□本≠ティキ
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オレは自分が通っている学校の教師であるティキとつき合っている。

今日は日曜日。

ティキは土曜日に仕事を全部終わらせたし、オレも予定がないのでその日は一緒に遊ぶことにした。


「遊ぶったってなにするんさ?」

「別になんでもいいけど…何所か行く?」

「何所かってどこ?」

教師とつき合ってるとバレるとなにかと面倒なのであまり人がいる場所には遊びに行けない。

特に、知り合いがいそうな所は…

「俺はラビと一緒に居られるとこなら何所でもいいけど?」

「あっそ」

軽く流してはみるが、内心すごく嬉しいしすごく恥ずかしい…

「あ、オレ…行きたいとこあるさ」

「何所?」

「ティキん家…ティキん家行ってみたいさ」

ティキん家は行ったことがない。

もうつき合って一年ちょっとくらいになるけど、話をするのもヤるのもほとんど学校だったし…(放課後の)

「俺ん家?来てもなんもねーぜ?」

「いいじゃん。つき合ってる男の家に行ってみたいってゆーのが誰もが思うことじゃん」

「そお?まぁいいけど…」

やった

「じゃあ明日駅に迎えに行くか」


なんやかんやで今日は解散【笑









「ティキ、こっちさ」

愛しの彼が俺を呼ぶ。

今日はラビが俺の家へ遊びに来てくれる。

そう思うと朝からなんだかウキウキだ。

「初めてティキの家に遊びに行くからウキウキさ」

あ、ラビもそう思ってたんだ

「一人暮らしなんだっけ?」

「うんまぁ…そうだよ」

「自由でいいさ、大人は…オレはじじぃが居るからなにかとうるさいさ」

「まぁ、ある程度は自由でいいけど…」

仕事から帰ったとき、誰も居ないのは思ったより寂しいんだよ?

ラビが俺と結婚して帰ってきたときエプロンつけて

『おかえりなさい、ティキ』

とか言ってくれたら最高に幸せなんだけどな♪

「じゃあ浮気とかし放題さね」

俺の妄想とは裏腹にラビは腹黒い台詞を笑って言う。

「まぁな…じゃなくてハァ?なに言ってんのラビ、俺浮気なんかしてないからマジで!!」

「浮気の証拠は隠してきたさ?」

「だからしてないって…」

笑って言ってるんだから本気ではないとは思うがなんか怖い…

別に疚しい事(浮気)しているつもりはないがラビのことだから勝手に家捜索して勝手になんか見つけて勝手に誤解して勝手に怒りそうだからな…

覚悟しなくちゃ



駅から10分くらい車を走らせると俺の家は見えてくる。

「此処がティキの家なんさ?」

ラビが見上げているのは高層マンション。

この中の一室は俺の部屋だ。

「結構いいとこ住んでんだね、あんた」

「まぁ、私立の先生は給料いいから」

マンションの前にラビを待たせ、車を駐車場に置いてきた。

軽く上機嫌な俺はキーを廻しながらラビの元へ戻る。

「お待たせ。さ、どうぞ♪」








ティキは鍵を開けオレをエスコートする形で家の中へ招き入れた。

入るとキレイな玄関と広いリビングが目に入った。

「へぇ、結構広いんさねぇ…それに意外とキレイじゃん」

「此処はね…」

せっかく褒めてあげたのにあまり嬉しくなさそうに、意味深な台詞を放った。

「どーゆー事さ?」

その台詞の意味は、次の部屋の扉を開けると明らかになった。

「うわっ、きったな」

その部屋はカップめんの入れ物やら着替えやらでごちゃごちゃだった。

「なんであっちとこっちでこんなに差があるんさ?」

「だって…普段はずっとこっちにいるし、リビングは突然のお客様用に常にキレイにしとこうと思って」

『浮気の証拠隠したか』じゃなくて『ちゃんと部屋片付けたか』って聞けばよかったさ。

とゆーか、リビングがお客様用ならオレこの部屋くる必要なかったんじゃねーの?

「お茶でも入れてくるから、ソファーにでも座っててよ」

ティキはキッチンに向かった。

しかしオレはさっきの部屋が気になって立ち上がった。

ティキにばれないようにさっきの部屋のドアを開けた。

「さすが先生なだけあってたくさんあるさ〜、本」

本棚にはずら〜と並べられた本が数多くある。

その中にはオレにも読んだことのない本が数冊あった。

しかしどの本もさほど汚れていあない。

ティキのことだから買ったけど読んでないってとこかな

「あれ?」

たくさんの本の中で一際目立ってボロボロになっている本を見つけた。

オレはその本が気になり、手にとった。








「ラビ、お待たせ…あれ?」

ブラックコーヒー(俺用)とミルクティー(ラビ用)を入れてリビングへ戻ると、ラビは其処にはいなかった。

不思議に思いしばらく考えたが、もしやと思い先ほどラビに見せた部屋へ行ってみた。

すると案の定、部屋の真ん中辺りで本を読んでいるラビがいた。

本の虫のラビだからこうなるとは思っていたけど…

まぁせっかくだししばらくそのラビを見つめていたが、中々止める気配もないし俺が見ているのも気づかないみたいなのでいい加減ムカついてきた。

「ラビ、何時まで本読んでる気?」

少し怒り気味に言ってみたけどラビは反応しない。

「ミルクティー入れてきたのに、冷めるだろ?」

やっぱり反応しない。

「おいラビ、聞いてんのか」

本を読んでいるラビには俺の声も聞こえないのか…?

「俺と本、どっちが大事なんだよっ!!」

しまいには女みたいな台詞をラビに浴びせる始末。

「もういいよ!そんなに本が好きなら本と結婚しちゃえ、馬鹿ラビ!!」

と思いっきり怒鳴ると、

「く…くくっ…、あっはははは」

なぜだかラビは大爆笑した。

「な、なんだよ。なに爆笑してんの?ラビ壊れた?」

「や、ごめんごめん。ティキ…これ…」

ラビは今まで読んでいた本を俺に差し出した。

「これって…ってオイ!!これ!!」

ラビに渡された本はなんと…


俺の日記だった





「おまっ…何勝手に見てんだよ!!」

「ごめっ…だって、他の本と違ってかなりボロボロだったから…どんなおもしろい本だと思ったら」

ラビは未だに腹を抱えて笑っている。

は、恥ずかしい///

この日記は、日記だけど…

自称『ラビとの愛の日常ポエム』なんだから

はぁぁと顔を赤くしてため息をつくとラビはギュッと俺に抱きついてきた。

「ありがとさ、ティキ。オレ、すっごく嬉しい」

確かにこの日記の内容の大半は『ラビ讃頌』なのだけど…

まぁ、ラビも喜んでることだし。

結果オーライかな?

いつの間にか俺は怒っていたことを忘れラビを抱きしめていた。【笑




end


<あとがき>

なんかノロケっぽくてすみません。
タイトルに合ってる部分が一部しかなくてすみません。
終わり方微妙ですみません。
とんだ駄文ですみませんでした。

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