兎虎小説

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僕には夢がある。僕がヒーローになってすぐコンビとして組んだ鏑木虎徹という男性と恋人同士になる事だ。今時同姓愛者なんて珍しくもないし、この街は同姓同士の結婚も許されている。
言ったらナルシストだなんて思われるかもしれないが、僕にはこの容姿と性格はイケメンの部類に入る(と取材している女性が言った)。だからだろうか、「何にでも許される」という考えが出てきてしまうのは。

「買ってしまった…」

ダンボールに包まれた、少し大きめの箱。その中は所謂自慰目的で開発された大人の玩具が二つ。別にこんな物、買わなくても僕には虎徹さんがいるから、と思っていても、実際挿入なしの行為を二回やった。相思相愛じゃないけど。悪く言えば無理矢理で行ったセックスはただ虎徹さんを喘がせて、イかせて、泣かせてのセックスだった。気持ちが伝わるまで、なんて自分は宣言したけれどバーナビー・ブルックスJr.のJr.がいい加減悲鳴をあげている。早く虎徹さんの熱くて、したたかな後孔に突っ込んでぐちゃぐちゃに犯して僕の精子をこぼれるまで注ぎたい。
若いからこんな考えがすぐに浮かぶんだ。そして、僕のバディが卑猥なのがいけないんだ、と自己解決して箱と包装紙を引き裂いた。悠長に開けてなんかいられない!


まず取り出したのは【セ●ンティーン・●ボリューション】というオ●ホール。形や見た目はまんま女性のモノ。だがしかし、僕は女性と思わないようにしている。これは虎徹さんの孔だ、と。後ろより幾分か緩いそれにローションをたっぷり付け、晒していた僕の自身にもローションをなすりつける。人工的に作られたローションは、かぶれない肌に優しいものを選んだ。これを虎徹さんにも使うんだ、肌に合わなかったら困るだろう?そうだ、念の為にこのオナホールに「虎徹さん」と書いておこう。そうすれば視覚だって快感だって虎徹さんと一緒だ。
ローションと混じって自身から溢れる先走り。酷くぬるついた自身をホールに当て、貫く。さすが大人の玩具。リアルと同じで、締め付けが半端ない。虎徹さんも、こんな風に締め付けてきてくれるのだろうか。

『ばにー、ちゃ、ああっ、…もっと、もっときてぇ…っ』

…なんて。ああ、想像しただけでもイってしまいそうだ。何とか果てるのを抑えて、心中で想像の虎徹さんに問いかける。

「(ココがいいんですか?)」
『はぁんっ…!やだ、あ、そこだめっ』
「(嘘つきな淫乱にゃんこですね…っ)」

―――いや、僕はにゃんことは言わないか…。

『うぁあ…っ!あ、ひっ、ひんっ!』
「(これ、好きですよね?ぐりぐりされるの)」
『おく…こすれ、こすっちゃ、らめ、あ、あ、あぁ…っ!!』
「(簡単にイかせませんよ…っ)」
『ひにゃあっ!』
「(は…、虎徹さん、「俺は淫乱な卑猥ルドタイガーです。バニーちゃんの太い肉棒でお腹一杯になるまでぐちゃぐちゃにしてください」って言ったら離してあげます)」
『そんなの、言えない、だろうが…っ』
「(じゃあ虎徹さんは一生ココから精液出せません…ねっ)」
『はああああ、あっ!!』

今更だが、僕はなんて事を想像しているんだ。確かに言われてみたい言葉だ、が、こんな事して虎徹さんに嫌われないのか?
まあでも、想像してる虎徹さんは恋人になってからの虎徹さんだから大丈夫。多少鬼畜が入ってもひんひん喘ぐ虎徹さんはマジでエロティック。舐めまわしても怒られない。

「(そろそろ言ったらどうですか?もう限界でしょ?)」
『いや、だ…!』
「(…そうですか、じゃ、もっと激しくしますね)」
『そんなっ…!!あ…ああっ、ひぁああああっ!ぅんあ…っらめぇ、はげし、ばに、ばにちゃ、あ、ひんっ』
「…虎徹さ、ん…っ」
『いう、…っいうからぁっ…!お、れは、ああん…っいんらんなっひわい、あ、わいるどたいがああ、あひっ、だから…!ばにぃのっにくぼ、にくぼうをおれのう、んん…っぐちゃぐちゃなあなにつっこんでくらはい…っ!!ばにので、いっぱいにしてぇ…っ』
「―――――あ、」

ごぷり。
いつの間にか泡立ち、白くなっていたホールに大量の精液をぶちかました。若いって恐ろしい。虎徹さんのあられもない言葉に達してしまった。ハアハアと荒れる息を少し整え、ずる、とホールから自身を引き抜く。あとに残るのは脱力感と罪悪感。変態もいい所だ。想像力が豊富すぎて仕方がない。自分が考えた言葉と想像の虎徹さんの言葉が違ってびっくりした。
そして結局、もう一つを使わなかった。まあ一回に違うやつを使っても意味がない。ティッシュを二枚重ね、鼻と自身を拭く。
意味のなくなった未開封のそれを箱に再び仕舞い、郵送先を記入した。




【親愛なる鏑木・T・虎徹さんへ。
寂しくなったら是非これをお使いください。


バーナビー・ブルックスJr.】


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